松本市とのりくら観光協会が7月から、協働事業として乗鞍高原の乗鞍観光センターに電気自動車(EV)レンタカーの貸し出し拠点を開設している。「日産リーフ」2台を用意し、料金は3時間3,000円(充電無料)。
同高原は、中部山岳国立公園の特別地域に位置し、乗鞍岳マイカー規制や、周辺のペンションでは一人乗り電気自動車を導入するなど、環境に配慮した観光地づくりを進めている。高原内や周辺観光地への周遊の利便性を高め魅力ある観光地づくりを進めると共に、EV利用による新たな観光事業の開発を目指して実施。同観光協会が鈴与レンタカー(静岡県静岡市)の取次店の指定を受けて営業を行う。EVレンタカー専用の貸し出し拠点は国内初。
市はEVカーを信州・松本広域観光の交通手段として考え、交通事業者・観光事業者や地域行政などと協働で「EV観光地域」づくりに取り組んでいる。現在、松本・塩尻・諏訪地域で18カ所にEV充電器を設け、乗鞍高原には今年冬に急速充電器1基と普通充電器2基を設置した。「今後は利用方法などを検証しながら、EV観光を促進していきたい」と市商工観光部・山岳観光課担当者は話す。
7月17日の開設から半月が過ぎた。週末を中心に利用があり、予約も徐々に増えてきているという。利用者からは「エンジン音がほとんどなく本当に静か。歩行者に気付いてもらえなくて少し困るほど」「窓を開ければ涼しいのでエアコンも必要ない。風の音や鳥のさえずりも聞こえるくらい」などの感想が寄せられている。「爽やかな乗鞍で、環境に優しい『エコドライブ』を楽しんでもらえれば」(同担当者)。
貸し出しは10月23日まで。事前予約や問い合わせは同協会(TEL 0263-93-2326)まで。