見る・遊ぶ

松本市美術館で「老いるほど若くなる」展-70歳以上の作品110点展示

12日に行われたギャラリートークで自らの作品を解説する森山さん

12日に行われたギャラリートークで自らの作品を解説する森山さん

  • 0

  •  

 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で現在、70歳以上を対象とした公募展「老いるほど若くなる」が行われている。

[広告]

 プロ・アマチュア問わず70歳以上であれば誰でも応募できる同展。全国42都道府県・467点の応募の中から入賞35点、入選75点を展示する。油彩、水彩、版画、切り絵、ミクストメディアなど多岐にわたる作品の中で、グランプリ天衣賞を受賞した大阪府・豊田勝美さん(73)の作品「雷雨」は鉛筆で描かれたもの。紙に鉛筆というシンプルな素材ながら、濃淡で遠近感を表現し、空には龍(りゅう)、地には猫といった遊び心も感じさせる。「鉛筆画でこれだけの表現の深さを生み出したことに審査員全員が感服した」(竹内順一同館館長)。

 12日には同館学芸員による「ギャラリートーク」が行われ、同館学芸員の武藤美紀さんが解説しながら参加者と作品を鑑賞。審査員賞・佐々木豊賞を受賞した森山澄子さん(80)も参加し、自らの作品を解説した。「何を描くかは決めずに、描いているうちに自分の中から生まれてくるといいな、と思いながら描いた」という作品「刻の譜」は、幾重にも色を塗り重ね、船が描かれている。「キャンバスではなく薄いベニヤ板。綿半で買った」と話すと、参加者からは笑いが起こった。

 2004年に始まった同展は今回が4回目。故・米倉守前館長が「松本らしさ」を出せる企画を考えたときに、「信州は高齢者が多い。高齢者が絵を描くことで元気を発揮できれば」と発案。今回、90歳以上の人の作品4点も展示する。「技術だけではなく年を重ねたからこそ出せる味があるのでは」と同展担当の長岡秀幸さん。「本当に年齢を感じさせない、パワーにあふれる作品が多い。そのパワーを受け取ってもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=600円、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=300円、中学生以下無料。28日休館。4月3日まで。3月19日・20日はNPO法人コミュニティシネマ松本CINEMAセレクトによる「ハーブ&ドロシー」上映会を行う。ギャラリートークは今月19日・26日にも行う。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース