松本・高砂通りの「村山人形店」(松本市中央2、TEL 0263-32-1770)が、端午の節句に飾る「武者絵のぼり旗」を使って製作したバッグを販売し、話題を呼んでいる。
同商品はトートバッグ(手提げ)とショルダーバッグ(肩掛け)の2タイプで、それぞれに藍染めと柿渋染めの2種類を用意する。表地には、7~9メートルある同店商品の新品ののぼり旗を使用。武者や馬の顔が全面に描かれたインパクトのある面のものが多いが、虎や城など比較的落ち着いた雰囲気のものも。裏地は、トートバッグには防水布を、ショルダーバッグには綿布を採用。底の部分にはフェイクレザーを施す。大きさは、横幅=約40センチ、縦幅=約30センチ、まち=約10センチ。「普段使いしてもらえるようなサイズにした」と同店の村山謙介さん。染色は「浜染工房」(松本市庄内2)、裁断・縫製は「中原防水布店」(中央2)が行った。
「1年ほど前、『のぼり旗で子どもの法被を作りたい』との問い合わせを受け、ほかにも何かできるんじゃないかなと思って…」と村山さん。もともと知り合いだった中原防水布店の中原孝さんに相談。新しいのぼり旗は彩色が鮮やかなため、日常で使いやすいように旗を染めて色のトーンを落とした。柿渋のものは村山さんが自ら染めたという。「藍染めのものは使うほどに風合いが出てくる。柿渋のものは紫外線を浴びることで色合いがだんだん落ち着いてくる。時間経過で変化する面白さがある」。
1月初旬より販売を開始。来店客の多くに好評だという。年配客をターゲットに作ったが、若い世代の来店も多く、中には外国人の姿も。「外国人のお客さんには、武者の顔が大きく出たデザインのものが人気」。
「『サイズ違いで作ってほしい』など、お客さんからいろんな声をいただいている」と村山さん。「松本には地元の人が気付いていない素晴らしい技術を持った人がたくさんいる。これからも『松本発』のものを発信していければ」とも。
価格は、トートバッグ=1万2,800円(柿渋)・1万4,800円(藍染)、ショルダーバッグ=1万4,800円(柿渋)・1万6,800円(藍染)。