新春恒例の「松本あめ市」が1月12日・13日、松本市の中心市街地を歩行者天国にして盛大に行われた。
あめ市の起源は今から430年前にさかのぼる。武田信玄の支配下であった信濃は、対峙(たいじ)する今川義元、北条氏康の同盟により塩の供給が絶たれていた。これを見かねた上杉謙信が「戦うのは『武』であり、米塩のことは別」と塩を送ることを命じ、糸魚川(富山県)経由で運ばれた。その塩が到着したのが1月11日と言われている。これを記念して始まった「塩市」が江戸時代の前半には「あめ市」となり、明治以降いったん「初市」と呼ばれた時期もあったが、近年また「あめ市」に戻り現在に至る。
両日、中心市街地では福だるまや福あめの販売が行われた。13日には時代行列、塩取り合戦など恒例のイベントや、市制施行100周年記念イベントとして「おいらん道中行列」や琉球国祭り太鼓の披露なども行われた。12日はときおり雪が混じるあいにくの空模様だったが、13日は天候に恵まれ、「あめ市は『雨』が多いから」と事前から天候の心配をしていた松本あめ市実行委員会委員長の田中博さんは「天気が一番だから。晴れて多くの人に来てもらえてよかった」とほっとした様子だった。