松本の庄内地区公民館(松本市出川1)で6月26日、「ホタルの学習会」が行われた。
庄内北公園内「多自然水路」の手入れを行っている住民有志による「庄内ほたると水辺の会」が主管。水路で本格的にホタルが出現する時期を前に、ホタルについての理解を深めてもらおうと企画した。地域の人々を招いて行う公開学習会は昨年に続いて2回目。
当日は小学生や信州大学の学生、近隣住民など50人が参加。信州大学理学部の藤山静雄教授が、ホタルの生態や種類、光る仕組みや光り方の違いなどを説明した。「日本列島の西の方は、2秒間隔で光るが、東の方は4秒間隔。県内は主に2秒だが、志賀高原などは一部4秒のものもいる」という発光パターンについての解説に、メモを取る参加者の姿も見られた。
藤山教授はホタル以外の生物相調査についても説明。「早急な復活や保全を目指すのは危険。ホタルだけではなく、そこで暮らす生き物全体の保全を考えて進めなければいけない」と話した。質疑応答の時間には、県内のホタルの分布や、水・餌についてなどの質問が寄せられた。女鳥羽川で保全を行うグループからの報告なども交え、2時間の学習会は終了した。
その後、参加者は実際に水路を見学。水路は、今年4月に庄内北公園が完成して公園の一角に含まれた。「公園ができたので、手入れや観察などをしているときに人と会うようになった」と同会の上條慶子さん。水路に入ってくる人が増えたので、産卵・成長期のホタルを守るために土手には簡易柵を取り付けた。今年は6月19日に成虫を1匹観測。それ以後、会員が毎日観察・記録を行っている。「今年のゲンジボタルは例年より少し出現が遅い。7月に入るともう少し出てくると思う」と上條さん。
学習会の後、母親と一緒に水路を訪れた筑摩小学校2年生の荻野大樹君は「ホタルが出る夜にまた見にきたい」と話すも、この日は水路の生物に夢中。ホタルのえさとなるカワニナなどを手にして観察し、その後はそっと水路に戻していた。
ホタルの観察会は7月3日・10日・17日に行われる。実施時間は20時~21時ごろ。