松本市のささべ幼稚園(松本市笹部3、TEL 0263-25-0150)で、園舎ホールの壁や天井にブラックライトに反応して光る絵画の塗装工事が行われた。
園舎ホールは約37坪。昼間の光の中では、絵画は全く見えないが、照明を消してブラックライトを点灯すると、天井・壁一面に描かれたクジラやイルカ、星座や無数の星くずが白く浮かび上がり、まるで満天の星空の下にいるような幻想的な空間へと変化する。
住宅塗装や左官業を手がける「SHINKAI」(笹賀)が同園の夏休み期間を利用して施工した。同社は社会貢献活動として国際ボランティア学生協会(IVUSA)に協力し、カンボジアで学校建設を行う活動に参加。「海外だけではなく、地元でも教育機関に対するボランティア活動を行いたい」と考え、施工できる規模や条件などから同園に着目、施工を打診した。同園では、来年度から開始する給食のための厨房工事に合わせて古くなった遊具の塗り替え作業を計画中で、タイミングが合い一括施工することになったという。
「ブラックライトアート」は、特殊蛍光塗料によって描かれた絵画のこと。同塗料で描かれた絵画は、普段は見えないが、室内を暗くしてブラックライトを点灯すると白く発光して見ることができる。当初は一般的な塗料で行う予定だったが、同社の足立雅広社長が「ほかにはないものを手がけたい」と、エアーブラシを使い同塗料で描くことになった。
先月23日には「お披露目イベント」を開催。当初は在園児と保護者のみを対象とする予定だったが、「本当に素晴らしいものになったので…」と一般にも公開するイベントへと発展。当日は、地元アマチュアダンスチームのパフォーマンスや抽選会なども開催し、700人を超える人が集まり、にぎわった。
「当初の予想をはるかに上回る素晴らしさに感動した。園児たちも大喜びで、本当に感謝している」と同園事務局長の池田岳さん。今後は園の活動として「ブラックライトの特性を生かして、白い手袋を使った手遊びや、星座にまつわる神話の読み聞かせなどを行っていきたい」と話す。「地域の人たちにも楽しんでもらえる機会も作っていければ」とも。