庄内の大型SC近くで「ホタル観察会」-住民有志による解説も

4日の観察会では30匹あまりのホタルを確認。「少し蒸すくらいがホタルが出やすい」とのこと。

4日の観察会では30匹あまりのホタルを確認。「少し蒸すくらいがホタルが出やすい」とのこと。

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 松本市庄内の大型ショッピングセンター「コモ庄内」(松本市出川1)の北東側にある「多自然水路」に今年もヘイケボタルが出現し始めた。

 以前は夏になれば川にはゲンジボタル、田にはヘイケボタルが飛んでいた周辺一帯。区画整理工事により水路が埋められるなどしたため、年々ホタルの数は減少していた。何とかホタルの住める環境を残そうと、2003年夏に現地調査を開始。秋には70メートルほどの水路を現在の場所に移転した。その後、市と住民がワークショップなどを重ねて、整備内容や維持管理方法を検討、現在は住民有志による「庄内ほたると水辺の会」が水路の手入れを行っている。昨年は6月下旬から8月上旬にかけて延べ1,200匹のヘイケボタルを確認。見学者も延べ600人を数えた。

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 今年は初の試みとして、観察会で会員が見学者に向けて解説を行う。初日の4日には、近所の小学生や家族連れ、信州大学理学部の学生など約30人が訪れ、ホタルの光を楽しんだ。見学者の中には、会員に質問する人やそっとホタルを手に乗せる子どもの姿も。

 「今年は(水路の)下流にも出てきている。水路全体が成虫の成長できる環境になってきているのだと思う」と同会会長の青木繁之さん。昨年、一昨年と冬の時期に幼虫を放流していたが、今年は放流しなかったことから、3年目にして自然発生的に出現したと考えられる。「冬の時期に石油が水路に流れ込むなど、大変なこともあったが…こうしてたくさんのホタルが出てきてくれるとその苦労のかいもある。これからも、ホタル以外にもいろいろな生物が生きていける環境を未来に残していければ」と青木さん。

 同会は「地元で長く愛される場所に、訪れた人の癒やしの場に、地元の子どもたちを中心とした、生き物教育の場に」という方針で活動。今年に入り、会員自身がホタルの知識を深めることを目的に月1回のペースで学習会を開きながら、6月末には地域住民へ向けた公開学習会も開催し、理解を求めた。「学習会は、地域で現地を守っていくために、今後欠かせないと考えている。 そのうち、毎年見に来てくれる子どもたちや保護者自身が、新しい見学者に語れるようになっていくのが理想」と同会の上條慶子さんは話す。「ホタルについての知識が地域に浸透し、長く存続して、歳月とともに『地域になくてはならない憩いの場』になるように」という思いで、活動を続ける。

 会員が解説する観察会は今月11日・18日にも行われる。実施時間は19時30分~21時ごろ。ホタルが最も光りやすい時間は20時過ぎ。観察できる期間は8月上旬まで。