劇団「野らぼう」が木製テント劇場を作る過程と思いを展示する「骨になるまで空みる鯨」展が現在、松本市の書店「栞日(しおりび)」(松本市深志3、TEL 0263-50-5967)で開催されている。
同劇団は2018(平成30)年に結成。松本市を拠点に、野外劇や昼間に太陽光パネルを用いて充電した電力を照明や音響に使う「ゼロカーボン演劇」に取り組んでいる。結成当初からテント劇場での公演を目標としており、木製テント作りの構想を練っていた。2024年12月、伊那市で行われたシンポジウムで、芸術文化における環境配慮の実践を推進する団体「Image Nation Green」代表で舞台美術家・大島広子さんと出会い、本格的に活動を開始。柳沢林業(岡田下岡田)の協力を得て、昨年5月から製作を進めてきた。
8月には安曇野で伐採を行い、劇団員も立ち会った。英国ランカスター大学院で学ぶ大島さんはその日、英国に滞在しており、ネットでつないで伐採の様子を見たという。切り出した2本のヒノキは、劇団員で皮をむいた後に、四賀にある製材所で加工した。劇団員の成田明加さんは「間伐材のことや、手入れがされていない森林のことなど、学ぶことがたくさんあった」と振り返る。
木製テントの骨組みは、クジラをイメージした。「肉から骨、油まで余すことなく利用されているクジラと木材がどこか重なると感じた」と大島さん。アイデアを話す中で、製材所の近くの化石館があることが分かり、皆でマッコウクジラの化石を見にいったという。
会場では、アーチ状の骨組みの模型を用意。テント作りの過程や伐採時に撮影した森の様子は、タペストリーにして紹介する。劇団員が一連の作業を体験して感じたことをせりふのように表現したものと、木の枝を組み合わせたインスタレーションや、切り株なども設置。14日・15日には、木製テントの構造体の一部を同店の2つ隣の空き地に展示し、日没後は充電した電力を使ってライトアップする。
期間中は、信州大学の分藤大翼教授を迎えたトークイベント(13日19時)、シアター&アーツ上田の荒井洋文さんを迎えたトークイベント(14日13時30分)を開催。あがたの森文化会館では大島さんが舞台美術ワークショップ(14日10時)を行う。成田さんは「明日から急に変えよう、ということではなく、意識することで考える時間を少しずつ増やしていければ」と話す。
営業時間は7時~20時(野外展示は23時まで)。2月15日まで。関連イベントの予約はウェブで受け付ける。