町づくりについて考えるイベント「ローカルメディアがつくる関わりしろのつくり方~地域資産を共有するまちづくりへ~」が1月27日、「ASUPIA NEXT(アスピア ネクスト)」(松本市宮渕1)で開催された。
博報堂ケトル(東京都港区)エグゼクティブプロデューサーの日野昌暢さんを迎えて、「本質的な地域活性」をテーマに、地域とどのように関わっていくかについて考えた。日野さんは、高崎市の地域創生プロジェクト「絶メシリスト」について紹介。地元住民に話を聞いた時の印象や、企画を市長に説明した時のエピソードなどを振り返った。
本質的な地域活性は、地域資産を取材することから始まり、そこから地元の人たちを巻き込んでいくとし、「まずは外から目線で取材することが大事。その中で見えてきたものからビジョンを掲げ、仲間を集めていく」と日野さん。モデレーターを務めた藤原印刷(松本市新橋)専務の藤原隆充さんから、協力者の具体的な集め方について問われると、「インターネットで探せない情報があるのでヒアリングが大切」と応じた。高崎市の時は、町の人たちが思い浮かべるような「町のキーマン」に会いに行き、「企画を説明すると、『私にもできることはないですか』と応援してくれる人が増えていった」という。
書店や銭湯など町から徐々に消えているものを「再編集」することで新たな形を展開している事例も紹介。その一つとして写真店を出し、現在、富士フイルムと取り組んでいる、写真文化を未来に残すプロジェクトについて説明した。その後、「自分の町で〇〇×写真」をテーマに、30人ほどの参加者が6つのグループに分かれて、どんな場所で写真の現像ができるといいかをディスカッション。駅や公民館など公共施設のほか、ゲストハウス、山小屋、居酒屋といった人が集まる場所が挙がったほか、「今は手軽に撮影ができるが、見返したり選んだりする時間が減っている」「撮った時の気持ちも形に残せる工夫ができれば」といった意見もあった。
イベントは藤原さんが企画し、町づくりについて地域の人々と共に学び共有する「アスワク」の8回目として開催した。日野さんから、写真文化を未来に残すプロジェクトについて「松本でも何かできないか」と相談を受け、「せっかく日野さんが松本に来てくれるなら、話を聞きたい人も多いだろうし、みんなで考えればより多彩なアイデアが出る」と考えたという。
「ワークショップでもいろいろなアイデアや感想が出て、松本で町に関わる人の力を感じた」と日野さん。藤原さんは「外交官のようなポジションで、外から来た人と中の人をつないで交わる機会を今後もつくっていければ」と話す。