
劇団「マツモト・ザザ座」による公演「見えない都市-旅と劇場-」が7月12日・13日、芸大・美大受験予備校「マツモトアートセンター」(松本市大手1)2階多目的スペースで上演される。
20世紀イタリアの国民的作家イタロ・カルビーノの小説「見えない都市」をモチーフに、萩原朔太郎の小説「猫町」や信州に伝わる昔話などを組み合わせた作品。構成・演出を担当する加藤直さんとメンバーが共に創り上げた。加藤さんは「どの話も『見える世界』と『見えない世界』が共通してある。芝居もそうで、見方は千差万別。正解がないことを『分からない』と遠ざけるのではなく、面白がることで人間は豊かになる」と話す。
7月6日には、歌の練習のほか、通し稽古を行った。照明のタイミングを試して、動きを確認。大道具や小道具として使う段ボールを積み上げたりかぶったりしながら進めた。
同劇団は、プロのアーティストと演劇や演劇表現を探るワークショップ「まつもと演劇工場(シアターファクトリー)2023」に参加したメンバーが2023年10月に結成した。昨年は2月と10月に公演を開催。3作目となる今回は、20~70代の7人が出演する。
「いわゆる『プロ』とは違う、職業も年代もバラバラな人たちが作り上げる世界の面白さがある。あまりかしこまらず見てもらえれば」と加藤さん。過去2回は、宮沢賢治の作品を軸にしてきた。メンバーの杉木達朗さんは「前回の公演後に、次は違うものをという話が出ていたが、固まるまでには時間がかかった」と振り返る。
会場のマツモトアートセンターで演劇の公演を行うのは初めてだという。杉木さんは「これまでもお寺や学校の講堂で上演してきた。『演劇』『劇場』ということにこだわらず、さまざまな可能性を追求したい」と意気込む。
開演時間は、12日=14時、18時、13日=11時、15時。料金はm一般=2,000円、18歳以下=1,000円、未就学児無料。保護者1人につき6歳~18歳の1人が無料になる「いっしょに観(み)よう!割」も用意する。チケット予約はウェブサイトで受け付ける。