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松本・池上邸の蔵で「手仕事を聴く」 地元に息づく芸術文化、語り合う場に

「気軽に足を運んでほしい」と呼びかける藤原さん(左)、小林さん

「気軽に足を運んでほしい」と呼びかける藤原さん(左)、小林さん

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 松本市内で長く手仕事に携わる人の作品を囲んで話を聞き、語り合うイベント「松本に息づく手仕事を聴く」が5月22日、池上邸の蔵(松本市中央3)で行われる。

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 語り手には、江戸時代から伝わる松本押絵雛(おしえびな)を制作・販売する「ベラミ人形店」(同)の三村隆彦さん、修子さん夫妻を迎える。蔵の中では、押絵雛や七夕人形を展示・販売。トークイベントは、2人に手仕事について聞きながら、松本に息づく文化について、来場者を交えて語り合える場にする。

 主催は「まつもと市民アーツコレクティブ(仮)」。市内在住の20~70代、11人の有志が、市民と共に松本の芸術文化を育むことを目指して立ち上げた。「芸術文化を通して、街を育む」をコンセプトに、活動実践者の支援、市民が芸術文化と出合う場の創出、既存分野をまたいだ新たな企画立案を3つの柱として取り組む。メンバーでデザイナーの小林萌さんは「芸術文化には、消費だけではない、生きることの手助けになるような面がある。気軽に触れ、交流できるような場を設けることで、より多くの方に感じてもらえれば」と話す。

 同団体がイベントを開催するのは初めて。「工芸の五月」やクラフトフェアまつもとの時期に合わせ、「売り買いだけではなく、時間をかけて背景や思いを知り、深掘りできる機会をつくりたい」と企画した。同じくメンバーで劇作家・演出家の藤原佳奈さんは「芸術文化というと、派手なものや価値が分かりやすいものに注目が集まるが、以前から存在していて当たり前のようになっているもの、目立たない小さな営みにもスポットを当てたい」と話す。

 当日は、蔵の外に交流できるスペースも設ける。「松本の文化芸術について、関心がある人や実際に活動をしている人の声も聞きながら、しなやかに結び付きを深めていきたい」と藤原さん。今後は、企業・個人に寄付を募って活動していく予定で、同イベントは「手仕事の声」シリーズとして定期的に開催していくという。小林さんは「この町で暮らす人が集まり、話を聞き、自由に語り合えるような場にしていければ」と笑顔を見せる。

 開催時間は14時~20時。トークイベントは18時からで、予約優先。予約はウェブで受け付ける。

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