アウトドア用品店「TREKVOGEL(トレックフォーゲル)」(安曇野市穂高)がJR穂高駅前にオープンして1カ月が過ぎた。
店舗面積は約15坪。40年以上前にカフェとして建てられたという店舗は、緑色の三角屋根が特徴。窓を取り替えたり、壁や床を塗ったりして改装した。2階はワークショップやポップアップショップなどに活用する。
ウエアやシューズ、リュックなどを中心に、帽子やストール、アクセサリーのほか、ハンモックも用意する。扱うのは「STATIC」「midorinotent」「MOUNTAIN DAISY PRODUCTS」といった国内ブランドをはじめ、「TETON BROS.」「ALTRA」など約30ブランド。店主の小林秀行さんは「ガレージブランドに力を入れ、個人の作家のアイテムなども紹介したい」と話す。
小林さんは大阪市出身。子どもの頃、ボーイスカウトで登山やキャンプに興味を持ち、就職先は長野県内を選んだ。働き始めると東京、大阪、ドイツなど、さまざまな土地で勤務する期間が長かったが、県内では同僚や部下と山登りを楽しむこともあったという。「地元出身の人は、学校登山くらいしか経験がないという人も多かったが、最初は乗り気じゃなくても、行ってみると楽しんでくれていた」と振り返る。「もっと多くの人に、山の楽しみ方を知ってもらいたい」と思ううちに、いつしか開業を考えるようになった。
昨年2月、およそ30年勤めた会社に退職の意思を伝え、北アルプス登山の拠点となっている穂高駅周辺で物件を探し始め、閉店のお知らせが貼り出してあった同物件を見つけた。その後、7月に退職し、本格的な準備を進めてきた。店名はオランダ語で渡り鳥の意味。会社員時代に各地を飛び回っていた自身と重ね、「ものを受け渡すことで、ものづくりをしている人と使う人を軽やかにつなげていきたい」という思いを込めた。
2月に開催した「安曇野まちなかカレッジ」では、「安曇野の里山歩きを楽しみませんか」と題した講習会を2階で開いた。「安曇野ひがし山」を案内する「山歩倶楽部(さんぽくらぶ)」も定期的に行う予定。「燕岳、常念岳、蝶ケ岳といった北アルプスも魅力があるが、光城山や長峰山など低山も楽しい。身近な山から少しずつ始める人を増やしたい」と小林さんは笑顔を見せる。
営業時間は11時~18時(土曜・日曜は10時~17時)。火曜、水曜定休。