アート集団「SCREWDRIVER(スクリュードライバー)」による企画展「SCULPLAY(スカルプレイ)」が現在、芸大・美大受験予備校「マツモトアートセンター」(松本市大手1、TEL 0263-33-5511)で開催されている。
彫刻を主な表現領域とする4人の作家がそれぞれ、4階建てのビル各階に作品を展開する。1階ギャラリーには保井智貴さんが石を用いた「彼の青」と題した5点を展示。2階ギャラリーには冨井大裕さんが紙や針金で制作した作品「頭部のある部屋」を並べる。
3階はエントランスや事務室、吹き抜け、通路、テラスなどさまざまな場所に、藤原彩人さんが多彩な作品を配置。4階屋上では、深井聡一郎さんが陶製のオブジェなどをつるした大型の作品を設置する。いずれも建物や部屋の特徴を生かし、空間全体を演出。同センター代表・北澤一伯さんは「この場所ならではの、サブカル的な雰囲気を感じられる展示になった」と話す。
2012(平成24)年6月、作家4人とキュレーターの石崎尚さん、デザイナーの小山麻子さんが「AGAIN-ST(アゲインスト)」を結成。いったん解散後、今年3月に「スクリュードライバー」を再結成した。これまでは、彫刻の制度や彫刻教育のあり方について見つめ直してきたが、今後は彫刻と彫刻以外のものの「間」に目を向け、楽しさを語っていくという。
2019年、冨井さんが松本市内で展覧会を開いた際に、同センターが会場の一つだった縁があり、再結成後の初の展示が実現した。「普段からギャラリーで八百屋、屋上でブックイベントなど、枠にとらわれない場の使い方をしているので、うまく建物全体を生かしてもらった」と北澤さん。
3月24日には、トークイベントが行われ、約20人が参加した。4人の作家と石崎さん、進行役として長野県立美術館の学芸員・茂原奈保子さんが登壇。テーマの「彫刻と遊び」について「遊べ、というのも難しい。遊べと言われて遊ばないので」(冨井さん)、「遊びといっても、ねじの隙間の『遊び』という捉え方もある」(石崎さん)、「それは先に言ってほしかった。ずっと『これは遊んでいるかな』と自問自答していた」(深井さん)など、和やかな雰囲気で振り返った。
開催時間は13時~19時。4月14日まで。