安曇野市は、市内の観光の見どころを紹介するインターネット上の仮想空間「安曇野観光メタバース」を2月29日、オープンした。
スマートフォンやパソコンなどから利用が可能。自身の分身「アバター」を操作して、動き回ったり、ほかの利用者と交流したりできる。空間は、イベントなどの会場となる「ロビー」と、ロビーからつながる4つの「ルーム」で構成。北アルプスの山並みに囲まれたロビーは、前方にステージを設けるほか、道祖神や八面大王足湯などを配置し、安曇野らしさを出している。各ルームでは、首都圏の女子大生によるプロジェクトチーム「キャンパスラボ」が考えた観光プランや、立体的な地図で観光スポットを紹介する。
空間の構築はNTTが提供するVR空間プラットフォーム「DOOR」を活用。昨秋には「キャンパスラボ」のメンバーが安曇野市を訪れ、若者向けの観光コンテンツを検討した。同市観光課の担当者は「安曇野の観光客は比較的年齢層が高い人が多い。若年層へのPRに力を入れることで、来訪につなげたい」と話す。
2月29日には、オープニングイベントが開かれ、太田寛市長や「キャンパスラボ」のメンバー2人がアバターで登壇し、市の魅力をアピールした。最大同時接続数の50人を超える表示になった時間帯もあり、総PV(ページビュー)数は2000近くになったという。
今後は「ツウな安曇野を発見!」(3月12日19時~20時30分)、「山岳トークライブ」(同19日17時~18時)などイベントを予定する。「観光分野でのメタバースの利用は県内自治体で初めてということもあり、注目度の高さを感じている。いずれは市として就職相談会を開くなど、移住・定住推進などの幅広い分野で活用していければ」とも。