松本市街地を流れる女鳥羽川のこれからを考えるシンポジウム「女鳥羽川シンポジウム~これからの水辺をデザインする~」が1月21日、まつもと市民芸術館(松本市深志3)で開かれる。
前半は「東京水辺散歩」の企画・編集を手がけた、松本市出身の山本敦子さんが基調講演を行う。後半のパネルディスカッションは山本さんのほか、まつもと文化遺産保存活用協議会会長の後藤芳孝さん、都市計画家・倉澤聡さんが登壇。信州大学人文学部の金井直教授がコーディネーターを務め、女鳥羽川の生い立ちや歴史、未来の場所づくりなどをテーマに語り合う。主催する松本都市デザイン学習会代表の山本桂子さんは「女鳥羽川は、町にとって欠かせない存在。歴史を知り、これからの関わり方について展望する場にしたい」と話す。
同会は2010(平成22)年に発足。松本市内、特に中心市街地の歴史を学び、今後について考える活動を続けている。2019年、公共空間としてほぼ手付かずだった女鳥羽川に着目し、「女鳥羽川再発見プロジェクト」を開始。講座やワークショップ、フィールドワークなどを行ってきた。
2023年度は、長野県地域発元気づくり支援金を活用し、「はじめての女鳥羽川 遡上俯瞰(そじょうふかん)川MAP」を作成。田川との合流点から住吉神社近くの洞橋までを4部に分けて紹介し、水路全図と合わせて全5部にまとめた。マップをつなぐことで、全容が分かるように工夫。橋名の由来や周辺の史跡、動植物の情報も盛り込んだ。「川が曲がっているので、1枚にするのは難しかった。つないでみると、清水橋でどれだけ曲がっているのかがよく分かる」と山本さん。
シンポジウムでは、来場者に同マップを進呈。女鳥羽川で活動する2団体「リバーサイドプロジェクト」と「信大女鳥羽川デザイン室」を紹介する場も設ける。今後はマップを基にしたフィールドワークも行う予定で、興味を持つ人や一緒に活動する人を増やしていきたいという。山本さんは「さまざまな取り組みやマップを通じて、新たな発見があるはず。気軽に参加してほしい」と呼びかける。
開催時間は14時~16時30分。入場無料。