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松本のギャラリーで遠州・三河の生地使ったファブリック展 色と形に遊び心

モノトーンのラインを手にする中野さん

モノトーンのラインを手にする中野さん

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 静岡・浜松で染色業を営む「ザ・ファブリック・ナカノ」による展示「モノトーンとカラフルなバッグたち」が現在、松本・浅間温泉の「手仕事扱い処(どころ)GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で開催されている。

愛用者の声から生まれたというモノトーンのライン

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 大小さまざまなサイズのバッグを中心に、小物入れやペンケースなど約150点を展示する。江戸時代から続く綿織物の一大産地である遠州・三河産の生地は、柔道や剣道の胴着にも用いられる、厚くて丈夫なもの。2代目・中野裕之さんは「生地は白と紺だったので、カラフルに染めると楽しいのではないかと考えて始めた」と話す。現在、50~60色のバリエーションがある生地の中から組み合わせたバッグは全て一点物。「一期一会のものづくり」をコンセプトに制作している。

 愛用者の声から生まれたというモノトーンのラインは、ショルダーのほか、卵や富士山、船、おにぎりなどをイメージしたタイプも用意。色がシンプルな分、形に遊び心を持たせたという。生地は少し薄手のものを別注。中に付けたポケットは長財布が入るよう深めにしたり、体に当たる内側はこすれることを考慮して色を少し濃くしたりと、細部にも工夫を凝らす。

 中野さんは高校卒業後に東京の大塚テキスタイルデザイン専門学校で基礎を学び、生地の販売、生産、企画を経て、1995(平成7)年から家業にいそしんできた。布をつまんで糸でくくることで染まらない部分を作って模様にする「くくり染め」の技術を継承しつつ、新しい「染物屋」の在り方を模索。「made in 遠州・三河」を意識したものづくりに取り組んでいる。

 同ギャラリーの瀧沢一以さんが中野さんと出会ったのは2005(平成17)年の八ヶ岳クラフトフェアで、その際にストールを購入。その後、特にやりとりはなかったが、昨年、「作品を見てほしい」と連絡が入ったという。実際にギャラリーを訪れた中野さんは、ストールを目にして「自分のことを覚えているだろうかと心配していたが、愛用してくれていてうれしかった」と振り返る。

 布物の展示は、同ギャラリーでは初の試み。「一つ一つ手にしながら、色や形で迷った末に決めるという人も多い」と瀧沢さん。中野さんは「迷うことも楽しいので、じっくりと見て、選んでもらえれば」と笑顔を見せる。

 価格は、ショルダーバッグ=5,500円~、トートバッグ=7,480円~など。営業時間は10時~18時。木曜・日曜定休。今月23日まで。

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