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松本・中町のギャラリーで「奈々司窯」展 端正さと遊び心感じる作品200点

多彩な作品が並ぶギャラリー内

多彩な作品が並ぶギャラリー内

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 福井県越前町で作陶する佐藤裕司さん・奈美子さん夫婦による展示「奈々司窯展 一服」が現在、松本・中町のギャラリー「鳥乃子」(松本市中央3、TEL 0263-50-6636)で開催されている。

金彩を施した華やかな壺(つぼ)

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 カップや湯飲み、片口、飯わんをはじめ、ポットや急須、抹茶わんなど約200点を展示する。あめ釉(ゆう)やわらを燃やして作るわら灰釉を用いて落ち着いた雰囲気に仕上げたものや、粉引(こひき)など多彩な展開。黒釉に銀彩、色絵に金彩を施した繊細で華やかな作品もある。

 ポットは、同店で常設しているふたの取っ手が鳥の形をしているもののほか、猫や魚の形をしたものも用意。ポットや急須は、注いだ時に茶葉が一緒に出ないように、注ぎ口の内側に付けた茶こしに工夫を施しているという。店長の斉藤彩美さんは「形は端正だが、遊び心もある。使い勝手にも配慮されていて、最後の1滴までしっかり注げる」と話す。

 裕司さんは北海道生まれ。こぶ志焼、笠間焼で製陶業に従事した後、石川県で九谷焼技術研修所専門コースを経て、九谷焼窯元で働いた。奈美子さんは京都芸術短期大学造形芸術学科陶芸コースを卒業して京焼絵付けを学んだ後、九谷焼技術研修所専門コースに進み、色絵磁器を中心に作陶。1998(平成10)年、2人で奈々司窯を開窯し、2000(平成12)年に奈美子さんの地元の近くへ移った。鉄分を多く含むという越前の土を使った作品にも取り組んでいる。

 同店は、塩尻市木曽平沢に工房を持つ斉藤漆芸(塩尻市奈良井)が2016(平成28)年にオープン。奈々司窯の作品は開店当初から扱っている。「漆の器と相性が良く、いつか展示をお願いしたいと思っていた」と斉藤さん。1年ほど前から開催に向けて準備を進めてきたという。

 「一服」というタイトルは、「ご飯やお茶、お酒など日常でふと心がほぐれるような時間を、器を通してお手伝いしたい」という佐藤さん夫婦の思いが込められている。斎藤さんは「寡黙で真面目、ひたすら使い手のことを考えている優しさなど、お二人の性格がそのまま映し出されたような器。手に取ってその良さを感じてほしい」と呼びかける。

 価格は、湯飲み=2,800円~、片口=3,000円~、ポット=1万7,000円~など。営業時間は10時~17時。10月28日まで。28日は佐藤さん夫婦が在廊する。

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