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松本で酒井貴弘さん写真展「青の欠片」 母校で撮影、地元で初個展

「3人でできて特別なものになった」と話す(左から)手塚さん、酒井さん、丸山さん

「3人でできて特別なものになった」と話す(左から)手塚さん、酒井さん、丸山さん

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 松本市出身の写真家・酒井貴弘さんの写真展「青の欠片(かけら)」が現在、松本市のギャラリーカフェ「ギャラリーノイエ」(松本市大手3、TEL 0263-87-7077)で開催されている。

ギャラリーまでの階段にも作品を展示

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 青春の「青」をテーマに、酒井さんの母校・豊科高校で撮影した作品、約50点を展示する。額装のほか、壁にスライドで投影したり、2メートルほどの布に印刷して天井から下げたりしたものも。作品にはライターの丸山園加さんが言葉を添え、音楽家・古賀小由実さんが企画に合わせて制作したコラボ楽曲も流す。

 「せっかくなら母校で撮りたい」と同校に直接相談し、昨年8月に撮影を行った。酒井さんが物語を作るイメージで絵コンテを用意。普段、手がけているポートレートとは異なり、表情はあまり写さないようにして、校舎内や校庭、河原などでモデル4人を撮った。「見た人の中に写真が入り込んで、ストーリーが広がればと思った」と酒井さん。企画・PRを担当した手塚祐輔さんは「母校と言うこともあり、より『エモさ』を感じる作品に仕上がっていると思う」と話す。

 酒井さんは1986(昭和61)年生まれ。高校卒業後は上京してデザインの専門学校で学んだが、「自分が何をしたいのか分からないまま、海外に住んだり、デザインの仕事をしたりしていた」と振り返る。30歳を過ぎてから、知人に紹介された子ども向けの写真館で、本格的に撮影を始めた。インスタグラムで作品を投稿するうちに、フォロワーが数万人に増えたことも後押しとなり、2019年に独立。現在は関東を拠点に、広告や写真集などを中心に幅広く活動している。

 昨年、東京・渋谷で町全体をギャラリーと見立てるプロジェクト「渋谷ストリートギャラリー」が展開する「アートをもっと身近に楽しむプロジェクト」の第2弾アーティストとして、映像作品を制作し、今年2月には渋谷のギャラリーで写真展を開催。「出身地でもあり、撮影地でもある地元でも作品を見てもらいたい」と、友人で高校時代の同級生の手塚さんと丸山さんと共に準備を進めてきた。丸山さんは「高校卒業後も、酒井さんが帰省すると顔を合わせていた。こうして一緒に企画ができたことがうれしい」と笑顔を見せる。

 展示タイトルは、青春の輝きやきらめきを表現しているという。酒井さんは「写真を見るだけではなく、体験できるような空間。青春時代を懐かしむだけではなく、あの頃のように全力で生きるエネルギーは今も自分の中にある、ということを感じてもらえれば」と呼びかける。

 営業時間は10時~18時(最終日は16時まで)。8月28日まで。

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