まつもと市民芸術館(松本市深志3)トップガーデンで7月21日~23日に行う野外劇「テンペスト」の上演が迫り、公募で参加する市民キャスト・スタッフが奮闘している。
シェークスピア晩年の傑作と呼ばれる同作。演出は益山貴司さん、衣装はひびのこづえさん、振り付けは黒田育世さんが担当し、主演は羽場裕一さんが務める。
市民キャストとして、オーディションを勝ち抜いた県内外の13歳~65歳の29人と、松本市民オペラ合唱団の3人が参加。同館やMウイング(中央1)で、6月23日から週末を中心に稽古を行ってきた。松本秀峰中等教育学校演劇部の生徒や、遠くは関西から実家がある松本に通っている人もいるという。同館の企画制作担当の草野広樹さんは「当館としても今回の募集は新たな挑戦だったが、希望者は予想以上の数だった。興味を持っていただいたことがありがたい」と話す。
7月14日は、スタジオ内の可動窓を開放して、舞台となる芝生の上で練習を行った。客席となるスタジオから眺めると、「島」のように浮かび上がる空間が出現。市民キャストは「島の妖精」として衣装をまとい、せりふや音楽に合わせて、動きや小道具の使い方を確認した。途中、雨粒が顔に当たったり、車の走行音などが聞こえたりと、野外ならではの状況で稽古は進んだ。
市民スタッフも20人以上が集まり、衣装の手直しや小道具の製作をしている。「皆、和気あいあいと、作品づくりの裏方を楽しんでくれていることがうれしい」と草野さん。チケットは既に完売。今後は連日稽古を重ねる予定で、「お祭りのようなにぎやかな作品になると思う。キャスト、スタッフが一丸となって、本番を迎えられれば」とも。