松本市出身の映画監督・山崎貴さんのデビュー作から最新作までを紹介する企画展「映画監督 山崎貴の世界」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で開催されている。
絵コンテやデザイン画、CG制作のために作られたミニチュアをはじめ、出演者の衣装や実物大のセットなど約300点を展示する。デビュー作の「ジュブナイル」(2000年)に登場するロボット「テトラ」の実物大のレプリカや、「ゴーストブック おばけずかん」(2022年)の「図鑑坊」のモックアップ、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの絵コンテや町並みを再現したミニチュアなどが並ぶ。最新作として11月3日公開予定の映画「ゴジラ-1.0」のスタチューも。
山崎さんは1964(昭和39)年生まれ。市内の清水小学校、清水中学校を出て、松本県ケ丘高校に進み、卒業後は阿佐ヶ谷美術専門学校で学んだ。CGによる高度なビジュアルを駆使した映像表現、VFX(ビジュアル・エフェクツ)の第一人者と言われている。
14日には、オープニング式典と記者会見が行われた。デビューからこれまでの軌跡をたどる企画展は初めてで、「最初はこっぱずかしいと思ったが、『故郷に錦を飾る』と言われ、確かにそうだと考え直した。多くの人の協力で開催できることに感謝している」と山崎さん。普段は、作品が出来上がると次の作品に気持ちが向くため、振り返る機会はあまりないと言い、「(展示を見て)意外と長い間、いろいろなことをやってきた、ちゃんと仕事をしてきたんだなと思った」と笑顔を見せた。
同展に合わせ、オリジナルの応援キャラクターとして「Y-cat」を考案。山崎の「Y」のイメージと、最近飼い始めたという愛猫の「ムッとした顔」を表現したという。期間中は「まちなか出張展」として、「Y-cat」の立体ゾートロープやスタチューを中心市街地5カ所に展示する。
開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,300円、大学生、高校生=900円、中学生以下無料。月曜休館(7月17日は開館、8月は無休)。10月29日まで。