信州の魅力を大学生目線で紹介するフリーペーパー「信州charm(チャーム)」が3月1日、創刊した。
大学生6人でつくる団体「信州charm」が制作。県内企業12社を取材し、事業内容や職場の様子、学生へのメッセージなどを掲載する。ほかに、乗鞍エコーラインや美ケ原高原、諏訪湖など、メンバーのお気に入りのスポットも写真と共に紹介。代表で信州大学繊維学部2年の海沼怜さんは「大学生の目線で伝えることで、もっと信州を知りたいと思ってくれる学生を増やしたい」と話す。
海沼さんは大学に進学してから、卒業後に県外に出てしまう人が多いことを知ったという。「企業も採用に苦労していると聞き、学生のうちに地域の魅力に気付く人が増えれば、残る人も増えると思った」。高校時代、フリーペーパーを作っていた経験を生かして発信したいと、SNSでメンバーを募り、知人の向山尚樹さんに顧問を依頼。昨年7月に同団体を設立した。制作費用約50万円はクラウドファンディングで集め、昨秋から取材、執筆、デザインなどを分担しながら進めてきた。
同大学理学部2年の廣村壮吾さんは「これまでずっとスポーツをやってきたが、今回の活動で、物として残る楽しさと喜びを感じた」と笑顔を見せる。塩尻市出身の小島圭登さんは「メンバーが県内各地に住んでいるのでオンラインでやりとりしながら進めた。皆で一つの物を作る良い経験になった」と振り返る。以前、大学の生協に勤めていたという向山さんは「企業や社会人と学生が関わる場が少ないと常々感じていた。これを機に、つながりが生まれれば」と期待を寄せる。
今後は、年2回の発行を目指し、活動するメンバーも引き続き募集する。海沼さんは「インターネット上には膨大な情報があるが、広い分、浅いようにも思う。学生にピンポイントで深く刺さるものを作っていきたい」と意気込む。
冊子はA5判、20ページ。県内の大学を中心に3000部配布する。