「第5回まつもと一箱古本市」が10月16日、松本・六九商店街で行われる。
出店者は、一つの箱に自身がセレクトした古本を並べて販売する。当日は、六九商店街の古着店「ChuPa(チュパ)」から「手塚仏壇店」までの間を歩行者天国にし、22人の「箱主」が出店。飲食ブースのほか、来場者が自転車をこいで発電し、朗読テープを流す企画なども用意する。実行委員長を務める書店とドライフラワーの店「枯淡苑」(松本市開智2)の店主・照井元貴さんは「誰でも『箱主』になれるところがこのイベントの面白さ。一箱の中に詰め込んだ世界をゆっくり楽しんでもらえれば」と話す。
一箱古本市は2005(平成17)年、東京の谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアで始まり、全国各地に広まった。松本では2015(平成27)年に初開催。これまで、松本城大手門枡形(ますがた)跡広場や緑町などを会場にしてきた。今回の会場である六九商店街では昭和50年代、「六九古本市」が行われていたという。同商店街にある和紙専門店「島勇」の伊藤慶社長が、通りでのイベントを考えていた時に、古本市のスタッフと話したことがきっかけとなり、開催が決まった。
箱主は前回よりも数を減らし、県内近郊エリアに限定して募集した。「エリアを絞ったからか、地元の人や初参加という人も多い。これまでの顔触れともかなり変わると思う」と照井さん。箱主を対象にした、看板を作るワークショップや市内の書店を巡る企画なども実施する。ほかに、ウェブサイトで箱主のプロフィールを紹介したり、「まつもと一箱らぢを」として、運営メンバーがイベントや本の話をするポッドキャストを配信したりと、機運を高めている。
照井さん自身、2019年4月に行われた前回の古本市に参加したことが、移住して開業するきっかけとなった。「一箱古本市に参加することが、ほかの本にまつわる活動につながっていけば」とも。
開催時間は10時~16時。