写真家・トヨダヒトシさんによるライブスライドショー「映像日記/スライドショー」が7月8日・9日、松本・あがたの森公園(松本市県3)の芝生広場で上映される。主催は「アーカイブセンターマツモト アブセント」、劇団「野らぼう」。
トヨダさんは1986(昭和61)年、渡米をきっかけに独学で写真を始め、その後、ニューヨークを中心に写真を用いた作品を創作・上映。2012(平成24)年、日本に拠点を移し、美術館のイベントや芸術祭などで発表している。写真をプリントするのではなく、35ミリフィルムを用いたスライドショーで表現。自らアナログのスライド映写機を使ってスクリーンに投影する。
当日は広場に高さ約6メートル、幅約8メートルのスクリーンを設置。8日は、ブルックリンの裏庭から1年余りの日々の出来事を撮影した「NAZUNA」(上映時間90分)、9日は、2005(平成17)年の春先、ニューヨークの平凡な道から始まる510枚の映像日記「spoonful river」(同80分)を上映する。両日とも15分ほど、同劇団の前田斜めさんがオープニングアクトを予定。化石燃料を使わずに持続可能な方法を模索する「ゼロカーボン演劇」を試みるという。
前田さんがトヨダさんによる上映を見たのは10年ほど前。同劇団が野外劇をメインに活動していることもあり、「日の光が入ってきたり、周囲の音が聞こえたり、町の環境が溶け込む中で表現することに興味がある。トヨダさんのスライドショーも、数年前からずっと開催したいと考えていた」と話す。
前田さんは今月、劇団とは別に「アーカイブセンターマツモト アブセント」を立ち上げた。アーカイブの活用を切り口にして、芝居よりもさらに広範囲に、映像や身体性を伴うアートなども扱っていくという。今回は第1弾の取り組み。「音楽もせりふもなく、写真だけを眺める時間は特別な心地にさせてくれる。ちょっとした非日常を体験してほしい」とも。
開演は19時30分。料金は前売り一般=2,000円、学生=1,500円、中高生=1,000円、小学生=500円、当日は小学生以外500円増し。雨天時はまつもと市民芸術館オープンスタジオで行う(当日券はなし)。予約は前日までウェブで受け付ける。問い合わせはアーカイブセンターマツモト アブセント(TEL 080-6425-9861)まで。