キャンドル工房「蝋燭(ろうそく)屋Ajito(アジト)」(安曇野市穂高北穂高)が安曇野のJR有明駅近くに5月14日、オープンした。
キャンドル作家の佐藤敬子さんが、自宅兼工房として築50~60年という一軒家を改装。2階にある2つの和室をつなげ、キャンドルを制作するほか、体験レッスンも行う。14畳の室内は、古道具やドライフラワーを飾り、「昭和レトロ」な空間に仕上げた。「昔はここで料理を提供していたそうで、細工が施されている床の間や欄間を生かして、隠れ家のような雰囲気を目指した」と佐藤さん。
キャンドルは、グラデーションやマーブル模様など多彩に展開。透明感のあるジェルキャンドルは、火をともすと内側だけが溶け、残った外側に光が反射して揺らめく。香りを楽しむサシェは、ケーキのスポンジのように層にしたプレートタイプや、ドライフラワーと精油を瓶に入れて香りを楽しむ置き型タイプを用意。板状にした蝋(ろう)を砕いて貼り付ける蝋アートもある。
体験レッスンは2、3時間が目安。基本は「1DAY」だが、複数回で作ったり学んだりするコースにも対応する。キャンドル、サシェ、蝋アートを用意するが、インスタグラムにアップしている写真を参考に申し込むこともできる。料金は1回3,800円~。
佐藤さんは、2005(平成17)年ごろからイラストレーターとして活動しながら、アロマセラピーを学ぶうちに、「香りだけではなく形にしたい」とキャンドル作りを始めた。その後、インストラクターの資格を取得。以前、訪れたことがある安曇野で店を開くのが夢で、2020年秋には、安曇野と松本で個展を開催した。
娘の高校卒業に合わせて移住を決意。安曇野のギャラリーオーナーの知人に紹介してもらった物件を見て即決し、3月に横浜から引っ越してきた。「最初のうちは静か過ぎて、寂しい気持ちになることもあったが、少しずつ慣れてきた。窓からの景色がお気に入り」と佐藤さん。今後はさらに表現の幅を広げていきたいという。「蝋の可能性に挑戦しながら、面白さや魅力を伝えていければ」とも。
体験レッスンは10時~、14時~。予約制で各回定員は2人。木曜定休。予約はインスタグラムやメールで受け付ける。