「クラフトフェアまつもと2022」が5月28日・29日、松本・あがたの森公園(松本市県3)で開催された。
3年ぶりとなった同フェア。入り口を1カ所に限定し、出展者・来場者には、マスクの着用、検温や手指消毒、アプリまたはカード記入による連絡先の登録を求めるなど、県に提出した感染防止安全計画に基づいて開催した。例年より少ない約200のブースが出展。陶器、木工、漆、ガラス、染織、金属、皮革など多彩な分野の作品が並んだ。天候にも恵まれ、多くの来場者が作品を手にしたり、写真を撮ったりして楽しんだ。
岩手県・遠野にガラス工房「Glass Farm MANZO(まんぞう)」を構える吉岡星さんはグラスや小鉢、酒器、花器などを出品。隕石(いんせき)の意味を持つ「Meteor」シリーズは、表面にまぶした色ガラスの粉を部分的に落として、金属のような質感を生み出している。「ガラスで経年変化を楽しんでもらえるようなものを、と考えて作ったもの。陶器や木工のように使い続けることで味わいを感じてもらいたい」と話す。
吉岡さんは大阪府豊中市出身。音楽イベントを手がける会社で約8年働いた後、ガラス作家を目指して富山ガラス造形研究所、瀬戸市新世紀工芸館ガラス工芸コースで学んだ。現在は「半農半硝」をコンセプトにガラス農家として活動している。一昨年、昨年と同フェアに出展予定だったが、「3度目の正直」で初出展。以前から松本には何度か訪れており、「昔、居酒屋で出会って仲良くなった人たちも足を運んでくれて良かった」と笑顔を見せる。
イオンモール松本(中央4)で行われた「クラフトスクエア」も多くの人でにぎわった。2018(平成30)年、「フェアのサテライト会場」と位置付けてイオンモール松本とNPO法人松本クラフト推進協会の協働で始まり、同フェアと共に2年連続中止していたが、昨夏からは同館内で毎月「crafts weekend(クラフトウィークエンド)」を開いてきた。同フェア実行委員長の大島健一さんは「作り手と使い手の橋渡し役として、この2年は何ができるか模索が続いた。主催者側だけではなく、みんなが開催を待ち望んでくれていたのだと感じた2日間だったし、出展者や来場者をはじめ、さまざまな形で携わっている人たちの協力があって無事に行うことができた」と話す。