源氏物語をテーマに着装披露-松本きもの研究会会員の帯結び成果発表も

着装を終えた光源氏と紫の上。「女性は外へ出るときは顔を隠していた」ことまで再現。

着装を終えた光源氏と紫の上。「女性は外へ出るときは顔を隠していた」ことまで再現。

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 着物を通じて日本文化の魅力を発信する「第16回 雅(みやび)-きものの世界」が2月21日、松本市音楽文化ホール(松本市大字島内、TEL 0263-47-2004)で開催された。

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 16回目となる今回は、昨年10月にポーランドのワルシャワ大学で披露した「『源氏物語』千年紀」をテーマに「光源氏」と「紫の上」の着装再演と、松本きもの協会会員54人による帯結び「楽しんできもの-帯結びあれこれ-」の2部構成。

 第1部の「『源氏物語』千年紀」では、ワルシャワ公演に協力した信州大学人文学部長・渡邊秀夫さんをゲストに迎えて、トークと着装パフォーマンスを披露。「ポーランドは日本の伝統文化にとても親近感を抱いている国。日本人より日本のことを知っているかも(笑)。着物姿で松本きもの研究会の会員の方に街を歩いてもらったときは、フラッシュの嵐ですごかったですね」と同研究会会長の上原たけ乃さんと渡邊さんは、当日の様子などを語り合った。

 筑前琵琶奏者の上原まりさんによる源氏物語の語りCDに合わせて、「光源氏」の着装「衣冠束帯(いかんそくたい)」がスタート。2人の衣紋者が前後に分かれて、厳かに着付けを進めた。10分ほどで着終わり、退場と入れ替わりで「紫の上」が登場し「十二単(じゅうにひとえ)」の着装を開始。エンジ色や緑、オレンジなどさまざまな衣を重ね、最後に袖が短く上体だけの唐衣(からぎぬ)を身に付けると、会場からは「すごい」「きれい」などの大きな歓声と拍手がわき起こった。

 第2部「楽しんできもの-帯結びあれこれ-」では上原さんの解説に合わせ、同研究会会員が4種類の帯結びを披露。「入会したての人たちはまだ手元がもたつく。手際のいい人との違いがよく分かるので、ぜひ手元を見て」と会場の笑いを誘う場面も。

 最後にアップテンポな音楽に合わせて、「光源氏」と「紫の上」を含めた全員がステージに再登場。「今回もたくさんの人の協力を得てやれたことに感謝している」と上原さん。「日本に生まれたからには、やはり日本的なものを学んでほしい。すてきな日本の女性になっていってほしい」と締めくくり、立ち見も出る約800人の観客から拍手喝采(かっさい)が送られた。

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