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松本・塩尻の書店で「平和願う」本を紹介 「日常とつながっている」視点を

中島書店高原通り店の「いま、平和を想う」ブックフェア

中島書店高原通り店の「いま、平和を想う」ブックフェア

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 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから1カ月半が過ぎ、松本市や塩尻市の書店では、「読書が平和について考える機会になれば」と取り組みを続けている。

「本・中川」の本棚

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 塩尻市の中島書店高原通り店(塩尻市広丘高出)では、「いま、平和を想う」ブックフェアを開催。ウクライナの民話「てぶくろ」とロシアの民話「おおきなかぶ」をメインに据え、戦争体験や歴史地理など幅広い分野の本、50種類ほどを並べる。本にはスタッフがコメントを書いた、黄色と青色のポップを付けた。

 「ぼくたちに翼があったころ」は20世紀初頭のポーランド・ワルシャワで、孤児院の運営をしていたコルチャック先生とそこで暮らしていた子どもたちの日々を、聞き取りや詳細な調査を行ってつづったノンフィクション小説。絵本「プーさんとであった日」は、獣医師が戦地に向かう途中で出会った小グマ・ウィニーとの物語で、「クマのプーさん」のモデルになっているという。社長の中島康吉さんは「書店にできることは何かを考え、スタッフ皆で選んだ。読書は人の心を耕してくれる。日常生活が続いていることの幸せを感じてもらえれば」と話す。

 松本市の書店「本・中川」(松本市元町1)では、以前から取り扱いのある本を集めたコーナーを設けた。ウクライナを拠点に活動するアートユニット「Agrafka(アグラフカ)」が手がけた絵本は、聴覚と視覚をテーマにした「対」のような2冊。ほかに、詩人・谷川俊太郎さんの「へいわとせんそう」や、SNSでの投稿が話題になった漫画「タコのくに」なども置く。

 店主の中川美里さんは「普段から、誰かが関心を持ってもらうきっかけになればと思って扱っている」と話す。取り組みが地元紙で掲載されたこともあり、本を買い求める人や、ウクライナへの寄付を呼びかける活動をしている人も足を運んでいるという。「日々、映像を見てショックだし、無力感もあるが、何かしたかった。全てが日常生活と地続きであることを意識するきっかけになれば」とも。

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