ウクライナとロシアのイースターエッグが現在、松本・ナワテ横丁の衣料品店「Ohaco(オハコ)」(松本市大手4、TEL 070-4491-1022)で展示されている。
店主の永田みずほさんが「ウクライナとロシアの文化を知ってもらい、平和の大切さを発信したい」と企画。両国のイースターエッグおよそ40点を、店内中央に置いた丸テーブルに並べる。ウクライナのものは「ピサンカ」、ロシアのものは「インペリアル・イースター・エッグ」と呼ばれ、エッグアートとして昔から親しまれているという。永田さんは「イースターの広がりで、伝統的な卵細工がイースターエッグとして知られるようになった。中には本物の卵だと思わずに驚く人もいる」と話す。
ピサンカは現地のバイヤーから仕入れたもので、彩り鮮やかな色味で細かい模様が目を引くデザイン。ろうけつ染めで作られていて、色を残したい部分に蜜ろうを塗り、ペンなどで色を重ね、幾何学模様や魚や植物などのモチーフを描き仕上げている。インペリアル・イースター・エッグはロシアの宮廷への献上品が市民に広がったもので、豪華な作りが特徴。同展のため松本市在住のエッグアート作家が用意したものは、繊細なカッティングや装飾が施されている。「同じエッグアートでも、ピサンカは素朴で温かみがあり、インペリアル・イースター・エッグはゴージャスな印象。作る技法は異なるが、『願いを込めて作る』という根底の部分はどちらも一緒」と永田さん。
同店は2019年に開業。永田さんは箕輪町出身で、松本衣デザイン専門学校卒業後、パターンを学ぶためイタリアに留学した。帰国後は同校で16年間講師を務めた。「手仕事で作られた伝統的な刺しゅうの美しさを知ってもらいたい」と、ウクライナの民族衣装「ソロチカ」の販売を中心に、リメークやオリジナルの商品の制作も行う。
この展示をきっかけに、ウクライナを支援したい人が多いことや、何もできない憤りを感じている人もいることを知ったという永田さん。オンラインでの売り上げの一部をウクライナ大使館へ寄付する取り組みも始めた。「何かできないかと折り紙で鶴やクローバーを作り、持ってきてくれる人もいる。両国とも素晴らしい文化と伝統がある。平和を願い、発信を続けていきたい」とも。
価格は、ピサンカ=3,800円~、インペリアル・イースター・エッグ=1,800円~。営業時間は10時30分~18時。火曜・水曜定休。4月15日まで。