雑貨・インテリアを中心としたセレクトショップ「The JB's」(松本市城東1)が松本市役所の東側、料理店「かき船」の向かいにオープンして1カ月が過ぎた。
10年ほど前に閉店したガソリンスタンドを改装。店内の照明や石油元売り会社のステッカー、入り口の雨よけシェードなどはそのまま使い、面影を残した。店主の鈴木崇之さんは「手を入れる必要を感じなかったので、改装といっても什器(じゅうき)を置いたくらい」と話す。
商品は、グラスや皿などの食器類をはじめ、ミニカーや人形などのおもちゃ、ライト、椅子や籠など、中古品と新品を織り交ぜたラインナップ。現在は、サンタクロースの人形などクリスマスアイテムも用意する。「なかなかうまく説明できないが、一言でいえば『ガラクタ』かもしれない。誰かにとっては価値がないもの、捨てられるものでも、もうひと粘りできそうなものをピックアップしている」と鈴木さん。ほかに、東京・原宿の「PROPS-STORE(プロップスストア)」のアパレルも扱う。
鈴木さんは10年ほど前に独立し、店舗などの内装設計・空間デザインを手掛けている。2015(平成27)年にオープンしたダイナー「The Source(ソース)」(大手4)の店主・安達真さんとは「D&DEPARTMENT」(東京都世田谷区)の同僚で、生花店だった建物をリノベーションした同店の内装設計も担った。「古いものには時間を重ねたからこそ生まれる良さがある。その良さをなるべく残しつつ、ユニークなものにしていきたい」と話す。
新型コロナの影響で自宅にいる時間が増えたことがきっかけで、東京以外での生活を考え始め、松本で部屋と倉庫を探した際に同物件に出合ったという。「ガソリンスタンドはかっこいいと思った。もともと店を始めるつもりはなかったが、倉庫にするにはもったいなかったので、大家さんに店舗活用を相談した」と振り返る。
店内にはリサイクルショップで見掛けるようなものや、何か全く分からない不思議なものも並ぶ。「店も空間デザインの仕事も同じで、他にはないもの、何かオリジンになるようなものを大切にしている。もっと自由に、自分が好きなものを楽しめばいい」と鈴木さん。今後は2階も店舗として活用する予定だという。「目的を持たずにふらっと立ち寄れるような、ここに来ると何かありそうと思ってもらえるような場所にしていきたい」とも。
営業は土曜・日曜の13時~18時。