木工家具などを製作する「アトリエm4(エムフォオ)」(松本市入山辺)のショールーム「m4gallery」(松本市大手2、TEL 0263-74-0088)が松本・六九商店街に移転オープンして1カ月が過ぎた。
「アトリエm4」は江戸指物(さしもの)を手掛ける「前田木藝(げい)工房」の4代目・前田大作さんが2007(平成19)年に設立。地元産の木材を使ったオーダー家具を中心に、入山辺の工房で製作を行っている。松本・城東で約2年営業した「城東スタジオ」を移転した。店舗面積は約8坪。
ダイニングテーブルや椅子などの家具、カッティングボードやキーホルダーなどの小物のほか、オーダーメードのキッチンも展示する。「家や使う人によって違いが出るのがキッチンの面白さ。家族の人数や、どんな料理を作ることが多いかなどを聞きながら、使い勝手の良さを追求していく」と前田さん。キッチンに合わせて家電や食器もセレクトしてディスプレーし、実際に使うイメージをしやすい空間づくりを心掛けたという。
以前は国道沿いのビルの2階だったが、今回は商店街という立地。「高校時代から遊びに来ていたなじみのある商店街。その一員となったことで、街の一部を構成するという新鮮さ、楽しさを感じている」と前田さん。広さは8分の1ほどになったというが、「全てを網羅するというよりは、入れ替えながら見てもらう『ショーケース』のような場所にしたい。空間を生かすことも仕事の一つなので、腕の見せ所でもある」
ショーウインドーには、月2回のペースで展示替えをしながら作品を紹介する「2/M」というスペースを設けた。現在、並べるのはかつお節削り。前田さんが指物の技術を習い始めたときに、父・純一さんから教わったものだという。「通りを歩く人が、ふと足を止めて、『こういうものがあるんだ』と知ってもらえればうれしい。気を張らずとも自然に、手仕事に触れられる場所になれば」とも。
営業時間は11時~17時。火曜・水曜定休。