「TCアルププロジェクト」による公演「じゃり」が7月16日~18日にまつもと市民芸術館(松本市深志3)、22日~26日に上土劇場(大手4)で行われる。
まつもと市民芸術館を拠点に活動する劇団・TCアルプの新作。フランスの小説家で「ユビュ王」の作者、アルフレッド・ジャリの数奇な運命の物語を描く。脚本・演出の小川絵梨子さんは「何がジャリを殺したのかがテーマ。難しい話ではないので、気軽に足を運んでもらえれば」と呼び掛ける。
小川さんは、2015(平成27)年に上演した「ユビュ王」の上演台本を手掛け、ジャリのことを調べるうちに興味を持ったという。その後、TCアルプのメンバーと定期的にワークショップを実施。6月に入ってZoomミーティングを行い、本格的な稽古を始めた。「このメンバーでまた一緒に作るなら、どんなことができるだろうと考えていた。皆で話しながら膨らませて脚本を書いたが、こんなに膨らむとは思っていなかった」
コロナ禍で、「正論に息苦しさを感じるようになった。なぜ正論や正義が怖いと感じるのかを考えた」と小川さん。同館の芸術監督・串田和美さんは「ずっと思っていたことが、コロナ禍ではっきりしてきた。ロジカルに考えることも、分からないことを楽しむことも、どちらも大事」と話す。
当日は、発熱など体調不良者の入場自粛やマスク着用など新型コロナウイルス感染予防の対策を行う。串田さんは「自粛の期間、『お芝居、大変だね』と多くの人が声を掛けてくれた。来てくれればうれしいし、来られなくても上演していることを喜んでもらえれば」と話す。
チケット料金は、2会場とも一般=3,800円、18歳以下=2,000円。まつもと市民芸術館チケットセンター(TEL 0263-33-2200)などで取り扱う。