「第13回まつもと演劇祭」が11月14日~16日に開催され、3日間で8劇団が市内7会場で30公演を行った。
昨年は1つの会場で複数の劇団が公演する形式だったが、今年は「劇戦区~あっちもこっちも劇場だらけ」と題して、市内各所に会場を設け、同時多発的に公演を行った。通常、劇場として使用されていない「上土シネマ」や「四柱(よはしら)神社斎館」、「ピカデリーホール」のロビーなど多彩な会場で、各劇団がそれぞれ4~5公演を行った。
全公演終了後、16日夜の「フィナーレ」には全劇団が参加し、作品賞と最優秀俳優賞の発表が行われた。審査員作品賞は劇団「れんげでごはん」の「真心オークション」、審査員俳優賞には劇団「Godsound+Studioend」の齋藤綾乃さんと、劇団「演劇実験室カフェシアター」のアローハ太郎さんが受賞、一般投票で選出された作品賞は「劇団ACT」の「僕たちだけの秘密」、俳優賞も同劇団の曽根原史乃さんが受賞した。
「れんげでごはん」は「四柱神社斎館」をステージに4公演を行った。代表の加藤吉さんは「社務所で『(建物を)傷つけないように』と言われビクビクしたが、普段なかなかできない場所での公演だったので貴重な体験になった」と感想を話した。「客席が近くて、観客の反応がよく見えたのは…怖かった」とも。
同実行委員会の西堀恒司委員長は「最初は(多会場で公演をすることに)やめた方がいいかも…と思ったが、やってみると良かった。その場所にふさわしい仕掛けや雰囲気でそれぞれがうまくつくったな、と思った。この3日間は本当に『下北を越えた!』」と講評。最後はまつもと演劇連合会の永高英雄会長が「これからも『この街が誇る演劇祭』を皆さんで作り上げていきたい」とあいさつし、来年の再開を約束して一本締めで締めた。
まつもと演劇連合会事務局長の永高和美さんは「劇場以外の場所で公演することで、今までよりもさらに広い範囲の多くの方にPRできたと思う。劇団以外の方々にもたくさん協力してもらえたことが良かった」と話す。「今年に入ってから『街ぐるみ、地域密着』を意識して企画してきた。連合会や劇団の枠を越えてつながることができた演劇祭になった」とも。今後は各劇団、それぞれの公演も控えている。「各劇団の、これからの活動にも注目してもらえれば」(永高さん)。