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松本の古書店で短歌と豆本、スケッチ展 スペイン料理店店主が初個展

ユニークな作品が並ぶ

ユニークな作品が並ぶ

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 松本・深志のスペイン料理店「壺屋(つぼや)松本店」の店主・矢杉麻衣さんの個展「矢杉麻衣のおいしい世界」が現在、古書店「books 電線の鳥」(松本市城東1、TEL 0263-50-9907)で開催されている。

スケッチはスペイン旅行の際に食べたもの

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 短歌集や手のひらサイズの「豆本」、昨秋に初めてスペイン旅行をしたときに食べた料理のスケッチなどを展示する。「舞茸(まいたけ)社」という名義で、豆本を制作する矢杉さん。バターの箱に入った個包装されたバターの中にレシピが書かれている「本型バター」や、短歌を書いた紙を丸めて1本のたばこのようにして箱に収めた短歌集「TANKA」、本に挟まっているスリップ(注文票)を模したものなどユニークな作品が並ぶ。

 料理のスケッチは、パエリヤ、ピンチョス、サラダやパンなどを丁寧に描き、どういう料理なのか一つずつ説明も添えた。父・梨洋さんとスペインの主要都市を南北に2週間ほどかけて巡り、あらためてスペイン料理の魅力を感じたという。「これまでも絵は描いていたが、旅先の経験を本格的に記録したのは初めて。いい経験になったし、どの店も本当においしかった」と笑顔を見せる。

 矢杉さんは8歳の頃から本作りに興味を持ち、中学生のときに豆本を作り始めた。「本が好きで、小さいものも好きだった」。内容から考えることもあれば、素材から内容を決めていくこともあるという。「何かを見て『かわいい』と思ったときに、自分なりに作るならどうしようかと考える。箱を開けたときに意外なものが入っていたり、吸わないたばこを持っていたりするのが楽しい」

 「books 電線の鳥」の店主・原山聡矢さんが、昨年開催されたイベントの際に「本型バター」を目にして、クオリティーの高さと発想力に感服。展示を依頼すると、スペイン旅行を控えていることが分かり、料理のスケッチと、これまで手掛けてきた作品を合わせて個展を開くことに決まった。細かい部分も見てもらえるようにと豆本用に虫眼鏡も用意。来場者の反応も良く、1週間会期も延長することにした。原山さんは「矢杉さんの作品は『こういうのを考えてみたけどどうですか?』と語り掛けてくるような楽しさがあり、メッセージ性を感じる。彼女の表現をもっと多くの人に知ってほしい」と話す。

 初めての個展に、「思いの外、展示を見に来てくれる人や豆本に興味を持ってくれる人が多くてうれしい」と矢杉さん。今後は、「文学フリマ」への出品や三浦市で行われるイベントに参加する予定だという。「これからも店を切り盛りしながら、創作活動を続けていきたい」とも。

 営業時間は11時~21時(土曜・日曜は17時まで)。入場無料だが喫茶利用が必要。火曜・水曜定休。2月18日まで。10日は矢杉さんが在廊を予定する。

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