江戸時代に松本藩で行われていた「鷹狩り」について知るイベント「国宝松本城と鷹狩り」が11月18日、松本城本丸庭園で行われた。
市と市教育委員会が主催する同イベントは、昨年に続き2回目。鷹狩りを通じて城下町の文化を発信することを目的としている。イベントの後には、大手公民館(松本市大手3)で講演会も開催し、歴史と文化をより深く学ぶ場も設けた。
実演では、諏訪流放鷹術保存会(東京都)がオオタカやハリスフォークで狩りの技を披露した。2人の鷹匠と鷹匠の間を行き来させる「振替(ふりかえ)」や鷹匠の腕から近くの木に飛び移る「渡り」などのタカの動きに、集まった観光客ら約1800人から歓声と拍手が上がった。
観覧者からジャンケンで決まった4人による「振替」の体験も。小学校4年生と5年生の2人は初めて間近で見た感想を、「目が丸くてかわいかった」「ちょっと怖かったけど楽しかった」と話した。
飛び出したハトを捕えさせる「飛び流し」では、ハトをそらしてしまい、タカは園内の木の上に止まった。すると、カラスが集まってきて、タカが降りてこられないという状況に。「タカはカラスよりも強いので戦えば勝てるが、カラスが集団で威嚇すると動けなくなってしまう」と状況がアナウンスされる中、どこからともなくカラスがどんどん集まる様子を、観覧者も心配そうに見つめていた。無事にタカが戻ってくると、大きな拍手が起こり、「今日、一番の拍手だった。どんな強い武将でも足軽に囲まれるとこうなってしまう」という解説でイベントが締めくくられた。