松本・浅間温泉の魅力を再発見し、どうしたら面白い地域づくりができるかを考えるイベント「新しいことが起こる場所のひみつを探ろう」が5月17日、旅館「ホテル小柳」(松本市浅間温泉3)で行われた。
地域に腰を据え、面白い取り組みを行っているゲストを迎え、「どうしたら面白いことが生まれるか」を考える同イベント。地元の中学生や信大生、浅間温泉で商売をする人や街づくりに携わる人など約40人が参加した。
前半は3人のゲストが登壇。小布施町で行政コンサルタントとして「小布施若者会議」などを手掛ける大宮透さんは、日々の業務を振り返りながら、小布施で新しいことが起きる理由を「場をつくることと、挑戦する人を応援する文化を育てていくこと」と説明した。湯田中温泉で地域活性化事業に取り組む「WAKUWAKUやまのうち」社長・岡嘉紀さんは、遊休不動産の活用事例を紹介。NPO法人シブヤ大学の青木優莉さんは、「授業づくり」と「まちづくり」にポイントを絞り、「話ができる場所、聞いてくれる人がいることが大事」と話した。
後半は、4つのグループに分かれて、「新しいことが起こる環境をつくるために何が必要か」についてトークディスカッションを行った。浅間温泉で暮らす人、時々来る人、初めて来た人など、それぞれの視点で感じたことを気軽に話しながら、「どんな人に来てもらいたいか」「目指すイメージはどのようなものか」など、考えを深めていく。50分ほど話し合った後、各グループからは「情報発信といっても、誰に何を伝えたいかを考える必要がある」「集まるだけではアイデアは生まれない。つないでくれる人が大切」「若い人が鍵になる」などの意見が上がった。
浅間温泉の書店「おんせんブックス」(同)の店主・越智風花さんが企画。「浅間温泉は住宅と旅館が混在し、風情もカオスもある好きな場所」と話す。一昨年4月、下宿先の一室に店を構えた越智さん。「松本の市街地は、人のつながりがきっかけになって、イベントを開いたり店ができたりしている。自分が浅間温泉で店を始めたら、他の人も何か始めてくれるかと思っていたが、実際はなかなか難しい。その現状を少し動かしたかった」。1カ月ほど前、青木さんを通じて大宮さんと知り合ったことがきっかけで、イベントを開くことを決めた。
「このイベントもそうだが、動いてみるとつながりが生まれ、実現することも意外と多い」と越智さん。今後も継続してイベントを行う予定だという。「『言えばできる』ということを多くの人に知ってもらい、始める人が増えればうれしい」とも。