平昌五輪・スピードスケート女子で金・銀合わせて2つのメダルを獲得した小平奈緒選手の松本市民栄誉賞授与式と報告会が5月1日、まつもと市民芸術館(松本市深志3)で行われた。
同市の市民栄誉賞は今年2月に創設。小平選手が所属する相澤病院(本庄2)や、母校の信州大学(旭3)があることから、第1号として授与した。授与式では、菅谷昭市長が「日本中に明るい希望と大いなる感動を与えた」とたたえ、表彰状と記念品として松本民芸家具の椅子を贈呈。小平選手は「地域の皆さんに応援してもらっていることを実感している。今後も、記録や順位の先にあるものを目指して頑張りたい」と笑顔を見せた。
続けて報告会では、これまでの活躍を映像で紹介。オランダ留学のエピソードや、平昌五輪のスタート時の心境、韓国の李相花(イサンファ)選手との交流などについて話した。連勝してオリンピックを迎えたことについては、「プレッシャーはなかった。自分に勝つことが大事で、何回優勝したかは気にしない。オリンピックは特別というより、自分が滑りたい舞台だと思ったし、滑れることが喜びだった」と振り返った。
質問タイムでは、地元スケートクラブの子どもたちが登場。「金メダルおめでとう」の文字を1文字ずつ描いたTシャツを着ていたが並び方がそろわず文章にならないというハプニングにも、「気持ちは伝わる」とほほ笑む小平選手。和やかな雰囲気の中、「スケートを辞めようと思ったことはない。友達やコーチのことで悩んだことはあっても、スケートが常に『帰る場所』だった」「どのリンクも好き。(出身地の)茅野の国際スケートセンターは皆の滑っている姿をこっそりのぞきに行くこともある」など、子どもたちからの質問に丁寧に応じた。「コーナーで転んでしまう」という男の子には、結城匡啓コーチと共にレクチャーする場面も。子どもたちは、「自己ベストを出せるように頑張る」「今年はインターハイで優勝したい」など、意気込みを新たにしていた。
当日は抽選で選ばれた1800人が集まり、小平選手の快挙を祝福。「おめでとう」と書かれたうちわなどを手にした人や親子連れも多く見られた。入退場時には、観客席の参加者とハイタッチしたり、メダルに触れてもらったりしながら笑顔で応じた小平選手と結城コーチ。扉の前に着いてから、一度場内に戻り、2階~4階席へも手を振って会場を後にした。