松本・女鳥羽川沿いに4月3日、食堂「三代(みよ)食堂」(松本市中央3、TEL 080-1238-0354)がオープンした。
店舗面積は約10坪、席数はカウンター、テーブル、小上がりで15席。築60年ほどの民家を改装。内装は店主の岡部賢二さんが半年ほどかけてほぼ一人で行った。「昨年4月から始めて、6月から秋ごろまでは山小屋で働き、戻ってきてから4カ月ほどで準備した。山小屋の造りを見て、どんなふうに設計していけばいいか考えが固まって良かった」と岡部さん。随所に山小屋の雰囲気を感じる空間に仕上げた。
メニューは定食と丼ものを中心に提供する。だしで炊いた豆腐を揚げた「豆腐カツ煮定食」(850円)、「豆腐カツ丼」(800円)のほか、「煮魚定食」(850円)、「とり天定食」「かきあげ丼」「親子丼」(以上750円)など。夜は地酒をメインにアルコールも用意する。
岡部さんは茨城県出身。大学進学で上京し、一度地元に戻った後に仕事の関係で2014年に松本に移住した。大学時代から自身の店を持ちたいという思いはあったが、食に関しての興味は子ども時代にさかのぼる。「母が料理好きだったので、一緒に台所に立つことも多かった。そこが原点にあるのだと思う」。松本では栄養士として働き、京都で仕事をしていた経験を持つ上司の影響を受けた。「見て覚えるというのではなく、理屈もきちんと説明してくれた。料理のイロハを教わった」
「50代以降、『第二の人生』として店を始めるイメージがあった」という岡部さんが開業に踏み切ったのは、市内に店を構える同世代の刺激もあったという。4軒隣の多目的スペース兼バー「Give me little more.(ギブミーリトルモア)」の新美正城さんから物件の紹介があり、「開業には綿密な準備が必要な気がしていたが、『ここでやろう』と思える物件と出合ったタイミングを大事にしたいと思った」
思い描いたのは、これまでよく通った店や記憶に残る店だという。「好きな店は、大げさではなく簡素な『庶民のご飯』を出していたが、満足度は高かった」と岡部さん。「毎日通っても飽きない味、普段から気軽に足を運べる店にしていきたい。家庭料理の良さを伝えることができれば」と話す。
営業時間は、11時30分~14時30分、18時30分~22時30分。日曜・月曜定休。