松本のギャラリー「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で現在、テキスタイル工房「点と線模様製作所」の企画展「記憶の風景」が開催されている。
バッグやポーチなどの雑貨類やスカート、ブラウスのほか、プリントや刺しゅう生地、材料キットなど約180種・350アイテム以上を展示する。植物や小動物をモチーフにデザインした生地は、優しい色合いのものが中心。端にケミカルレースを付けたストールやハンカチ、ファブリックパネル、月ごとにカラフルなデザインが楽しめるカレンダーなども並ぶ。
テキスタイルデザイナー・岡理恵子さんが2008年、北海道を拠点に立ち上げた同工房。普段の生活で目にした風景や記憶の中にある情景など、身近なものをデザインソースとして「模様」を作り出すという。同展では、デザイン画や製版チェックの試し刷り、来年リリース予定のケミカルレースのイメージ案なども紹介。展示初日に在廊した岡さんが、その場でスケッチブックに描いた水彩画も展示する。同ギャラリーの滝澤充恵さんは「デザインの背景や、生地になるまでの過程を感じてもらえれば」と話す。
同展に合わせて制作した卵のような型のコラボバッグは4色展開で、そのうち1色は完売するほどの人気ぶり。「北海道のお店を訪れたときに、四角いバッグが多かったので曲線のものを作ろうと思った」と滝澤さん。曲線のため、切り落とされる生地はくるみボタンなどで無駄なく利用できるように気を配った。
生地の種類や色違いのものが多いためか、「普段よりじっくり見て選んでいくお客さまが多い」という。「洋裁をしたことがないが、この生地で作ってみたい」という人や「子ども服のポケットなどワンポイントなら作れそう」という人も。「見ているとわくわくしてくる。アイテムを選んだり、キットを買って挑戦したり、本格的に作ったりと、それぞれ楽しんでもらえれば」
価格は、ハンカチ=1,700円~、ミニバッグキット=1,800円、コラボバック=7,500円、カットクロス=800円~、生地1メートル=3,200円~(50センチ以上10センチ単位で販売)など。営業時間は11時~18時(金曜・土曜は19時まで)。水曜定休。9月10日まで。