商店主と作家らが「工芸の街」の魅力を伝える企画「商店と工芸」が現在、市内各店で行われている。月間イベント「工芸の五月2017」の一環。
現在、商店をギャラリーに見立てた展示会「城下町工芸展 商店ギャラリー」を開催(5月28日まで)。飲食店、生花店、ホテルなど市内14店で、商店主が職人に依頼した調度や家具、取り扱っている作品などを紹介する。「The Source Diner」(松本市大手4)では、「QUIET SPACE TOOL&FURMITURE」のハンガーラック、椅子、カッティングボードなど、自然派ワインとスペシャルティコーヒーの店「peg」(中央3)では、ガラス作家・前田一郎さんのグラスやランプシェード、木工作家・羽柴弦さんのスツールなど。「上高地五千尺ホテル・五千尺ロッヂ」(上高地)や「扉温泉 明神館」(入山辺)でも、家具やオブジェなどを見ることができる(利用者のみ)。
メイン会場の「開運堂本店」(中央2)では、12人の作家が同店の商品に合わせて作った器を展示する。「studio prepa」は、こしあんと甘納豆を砂糖のすり水で固めた「さざれ石」に、涼しげなガラスの器を、「輪島キリモト」は、ふやき菓子「開智」に朱色の漆器を制作。「昨年試みて、好評だったので今回もお願いした。器は使ってみないと分からないと言われるが、実際にお菓子と合わせることで少しでも分かりやすくなれば」と実行委員事務局・村山人形店の村山謙介さん。
5月26日には、松本民芸家具の工房見学と、家具が使われているレストラン「鯛萬(たいまん)」(大手4)でのランチを楽しむ「あじわい散歩」(10時~13時、参加費6,000円)も企画。本町通り周辺では5月26日~28日に開催される「城下町工芸展 工芸マルシェ」(10時~21時、26日は15時から、28日は16時まで)では、陶磁器、木工、金工、漆器など14組の作家が展示販売を行う。26日・27日は本町通りから1本入った通り、開運堂本店の西側を歩行者天国にして「五月の宵祭」(17時30分~21時30分)も。
「松本は商店と職人が互いに刺激し合いながら発展してきた歴史がある城下町。そこに、自分が良いと思ったものを伝えようとしている若い店主たちも近年増えてきている」と村山さん。公式パンフレットやウェブサイトも作成し、回遊性を高める情報発信とともに、商店主らの思いも紹介する。「町を歩くことによって、脈々と続いてきたものと新しいもの、両方を感じてもらえれば」とも。
問い合わせ、「あじわい散歩」の申し込みは同事務局(TEL 0263-32-1770、村山人形店)まで。