松本・中町のセレクトショップ「Seltie(セルティ)」(松本市中央2、TEL 0263-34-5045)が現在、長野市で新店オープンの準備を進めている。
同店のコンセプトは「わがまま」。代表の宮下慎司さんが「服というのは自由。どれをどう着ようが、どう組み合わせようが、思うがままでいい。そういう人が集まる店にしたい」と2011年2月にオープン。「G.V.G.V.(ジーヴィジーヴィ)」「COSMIC WONDER(コズミックワンダー)」「ANREALAGE(アンリアレイジ)」「Ka na ta(カナタ)」「ohta(オオタ)」など国内外のコレクションブランドを扱う。
宮下さんは安曇野生まれ。高校生までは服に興味がなく、「どちらかといえば嫌いで、大人になっても制服で過ごせればいいと本気で思っていた」という。20歳のころ、たまたま入ったセレクトショップで見掛けたベルトがきっかけになり、ファッションの魅力に開眼。その店で働き始め、25歳で独立開業した。
2013年3月には、地方のセレクトショップとブランドが連携したプロジェクト「Pro-Relation(プロ リレーション)」をスタート。一つのブランドに各店が依頼・制作した別注アイテムを、それぞれの店舗に置き、購入できるようにした。ほかにも、木曽の宮ノ越宿・田中邸で展示企画を行ったり、「実店舗はどうなるのか」をテーマにしたトークショーに出演したり、さまざまな活動を展開。2015年8月には本町通りに委託型ユーズドセレクトショップ「New Time(ニュータイム)」をオープンした。
自身の経験やスタッフ、来店する若者などの様子から「衣服には人生を変える力がある。自分の店で扱っているものにはその力があるという自負もある。そのために(ECサイトなどではなく)実店舗を増やしたい」と宮下さん。開業6周年となる2月2日からクラウドファンディングを開始。3,000円~18万円の12種類のリターンは、同店で使える買い物券やパーツごとに生地が選べるオリジナルコートの制作、同ファンディングのために同店取扱ブランドがオリジナルで制作したアイテムなどを用意。現在、目標金額70万円を越える支援が集まっている。
長野市への出店を足掛かりに、県外も視野に入れる。「実店舗を持つリスクもあるが、人とものが出会うことが大事。『地方のファッション業界は元気がない』と言われるが、やれることはたくさんある」と宮下さん。「一人でも多くの方に、衣服の楽しさを直接伝えたい」と力を込める。