アルピコ交通上高地線新村駅構内にある新村車両所で11月5日・6日、本をテーマにしたイベント「しましま本店」が開催される。
同線の活用や沿線活性化を目指す住民グループ「上高地線応援隊」が企画。通称「アオガエル」と呼ばれる元東急5000系の車両内に、市内で古書店を開業したばかりの人や、準備中の人など、本に携わる活動をしている8人が出店する。古本をメインに、コーヒーなどのドリンク類も用意。電車の模型や、組み立てるペーパークラフトなど電車好きな子ども向けの企画も予定する。「電車で本を読む時間や本と出会う空間を提供できれば」と同グループの「しましま本店」係・太田岳さん。
2006年、同グループの前身となる「古い電車で新しい語らいの会」が発足。同車両などを活用しながら「ホッとできる場所づくり」を目指して活動を行ってきた。2010年に存続の危機にある同線も盛り上げたいと改名。引き続き、さまざまなイベントを開催している。
子どものころから電車好きだったという太田さんは、2008年から参加。「特に絵本で見た『アオガエル』は一番のお気に入りで、絵を描いたり模型を作ったりしていた」と振り返る。自身が学生時代に東京・国立で本・街・編集・デザインに関するイベントやワークショップを行う「国立本店」の運営に参加した経験を生かし、本の力で同線を人と人とを結ぶ場所にしたいと企画。「本やまちづくりに関わりたい、何かを始めたい」という情熱を持ったメンバーと共に、今年5月ごろから準備を進めてきた。
切符の形を模したDMや、同線車両内に中づり広告を提示するなど、「電車」内のイベントならではのPRも展開する。「本や本を通じた人との出会いを、古い電車というちょっと変わった空間で楽しんでもらえたらうれしい」とも。
開催時間は10時~15時。入場無料。