松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、企画展「『15』展」が開催されている。
15周年を迎えた同ギャラリーを振り返る企画展。第1回の展示を行った画家・田谷京子さんや、同ギャラリーのカレー皿を制作している陶芸家・伊藤真一さんをはじめ、これまで展示してきた作家とオーナー・熊谷俊行さん、合わせて15人が出展する。
「15」が刻印されたピンバッジや、同ギャラリーの外観を模したブローチなど、企画に合わせた作品のほか、食器、アクセサリー、絵画、オブジェなど約300点が並ぶ。木工作家・田路恭子さんは2002年に試作した羊のオブジェのほか、初めて同ギャラリーを訪れた際に持参したという箱に入った9匹の羊を再現したものも展示。「Akane Bon Bon」の名で活動する梅川茜さんは13年前の初個展での作品も展示し、「ガルガはホームのような場所」とコメントを寄せる。
陶芸家・花塚哲男さんと木工家・花塚光弘さんは、親子それぞれで出品する。哲男さんは地域の寄り合いに参加したしたときに着想を得たオブジェやマグカップを、光弘さんは「1」と「5」を表示した掛け時計など。同ギャラリーがオープンした翌年の7月には哲男さんが、8月には光弘さんが個展を開いている。「もともと、熊谷さんと息子が知り合いで、私はそこに混ぜてもらった(笑)。ここはギャラリーの雰囲気もいいが、何といっても熊谷夫妻の人柄がいい」と哲男さん。
同ギャラリーは2001年9月1日、俊行さんと妻・幸枝さんが開業。幸枝さんが6年半ほど市内で営んでいた雑貨店の移転をきっかけに、繭蔵として使われていた建物を生かして、1階は雑貨販売とカフェ、2階は月1回の企画展を行うギャラリーとしてオープンした。「始めたころは、隠れ家というか本当にひっそりしすぎていて(苦笑)」と俊行さん。「最初は自分より年上の作家が多かったが、徐々に若い人も増えてきた。長いお付き合いになっている人も多い」と話す。
これまでに172回の展示を行い、延べ378人の作家が参加。展示とは関係なく足を運ぶ作家や、常連客が幸枝さんとの会話をのんびり楽しむ姿もよく見られる。「仕事としてだけの付き合いではなく、顔を見て話すことを楽しめる間柄の人も多い。無理せず、自分たちが手の届く範囲を大切にしている」と幸枝さん。「作家の皆さん、そして訪れてくれる人のおかげでここまでやってくることができた。これからも、マイペースで細く長く続けていければ」とも。
作品は一部を除き販売する。ブローチ=1,000円~、カップ=3,500円、掛け時計=8,800円~など。営業時間は11時~20時。今月は月曜・火曜定休(19日は営業、21日は休業)。9月25日まで。