商店主と作家らが「工芸の街」の魅力を伝える企画「商店と工芸」が現在、市内各店で行われている。月間イベント「工芸の五月2016」の一環。
現在、商店をギャラリーに見立てた展示会「アノオミセノアノコウゲイ」を開催(~5月29日)。「木曽屋」(松本市大手4)、「かつ玄本店」(同)など明治時代~昭和前半創業の老舗18店では「先人の工芸」として、各店で長く使われている家具や道具を紹介する。現代の作家の作品を展示する「現代の工芸」は、「信州蜂蜜本舗」(中央1)、「トラットリア松本画廊」(同)など7店で展開。5月27日には、松本民芸家具の工場見学などを行う「アノアノオプショナルツアー」(10時~12時、参加費2,000円、昼食付き)も予定する。
「先人」と「現代」の両方を楽しめる店も。「ジュエリーサロン鶴」(中央2)には、松本市在住の拓本作家・平川明さんが制作した、陶芸家・河井寛次郎の詩画拓本2点と、金属造形作家・千葉直樹さんの「Brass Hanger」、輪島キリモトの漆器が並ぶ。「拓本は普段は出していないもの。企画に合わせて展示した」と同店オーナーの鶴木健さん。「店の一角を使った小さなコーナーだが、点が線になるように回遊性が生まれれば」と話す。
「村山人形店」(同)は、染織工芸家・三代澤本寿ののれんと、木工グループ「木彩会」の作品を展示。5月27日~29日は、「木彩会展」も開催し、期間中は抹茶の振る舞いや出品作品を実際に使うことができる体験イベントも行う。
本町通り周辺では5月27日~29日、「Crafted Kiosk」(11時~21時30分、29日は16時まで)を開催。陶磁器、木工、金工、漆器など12組の作家が展示販売する。27日・28日は3年目となる「五月の宵祭」(17時30分~21時30分)も。本町通りから1本入った通り、開運堂本店の西側を歩行者天国にして、実演やライブのほか、フードや地酒などのブースを出店する。
5年目となる同企画。今年は初めてパンフレットを制作した。「チラシだと、その場限りになってしまうので、旅の思い出になるようなものを作りたかった。パンフレットを手に再訪してもらえればうれしい」と実行委員事務局・村山人形店の村山謙介さん。「いいものを紹介したいというのが商店主の思い。日常に寄り添う品物の美しさ、魅力を再認識するきっかけになれば」とも。
問い合わせ、オプショナルツアーの申し込みは村山人形店(TEL 0263-32-1770)まで。