松本・中央の池上邸の蔵(松本市中央3)で現在、松本市在住の空間演出家・小林響さんによる体験型インスタレーション「BRAIN's WASHING MACHINE」が行われている。
薄暗い蔵には、小林さんが普段、作品に用いている輪っかを組み合わせて作られた球体を設置。中に入ると、輪っかと光が作り上げる幻想的な世界が広がる。手前は待合室のような空間にして、ベンチといろりを用意。棚には小林さんが好きなアーティストの写真などを並べた。「部屋に遊びに来たような感じでリラックスしてもらえれば」
野外フェスやイベントなどの空間演出を手掛ける小林さん。3年ほど前に松本に移住し、現在は四賀の古民家にアトリエを構える。「フェスのシーズンになると全国各地に行き、それ以外の時期は準備をしている」と小林さん。自身で企画する個展は今回が初めて。「自分でやりたいようにやってみることも必要だと思った」と話す。
球体作品を展示するために、天井までの高さがある場所を検討。以前、「工芸の五月」で訪れた蔵のことを思い出した。「町の中、いつもの風景の中に、ふと非日常があるような空間に仕上がった」。たまたま近くを通りかかった人がフラリと立ち寄り体験していくこともあるという。「考えるのではなく、感じることを目的にした作品。言葉にするのは難しいが、日常を少し離れた時間を過ごせると思う」と小林さん。
開催時間は13時~18時。体験料は500円。3月6日まで。