松本市の飲食店経営者らが1月12日、クラフトビールの醸造を手掛ける新会社「松本ブルワリー」を設立した。
良質な水を生かし、地元ならではのクラフトビール造りを目指す。市内中心部に本社を構え、今後は県内の醸造所で経験を積んだベテランのビール職人を中心にして造り方を検討。県内外の醸造所に委託し、夏には販売開始を予定する。来年以降は、自社で醸造できるように準備を進める。
2014年からスタートした「ビアフェス信州クラフトビールフェスティバルin松本」の実行委員らが中心となり設立。2014年は約1万6000人、昨年は約2万人が訪れた同フェス。県内には10を超える醸造所があるが、松本市内にはなく、来場者からは「松本のビールが飲みたい」という声が多く寄せられたという。
同実行委員会・企画運営で、市内でバーや飲食店を経営する林幸一さんが社長に就任。「コンセプトは『取りあえず』じゃない、『とっておき』のビール。松本ならではのおいしいビールをつくりたい」。ペールエール、スタウトなどのほか、リンゴなどを使ったフルーツビールなど10種類以上の醸造を目指す。
原料の麦やホップ、果物などは地元産を使い、ビールの搾りかすは飼料にして農業振興に貢献するなど、「地元の人に喜んでもらえるような、地元が潤うような商品をつくりたい」と林さん。地元飲食店での販売や、土産物への展開、醸造所の見学など、食文化として根付かせ、観光面での地域貢献も視野に入れる。
年明けに設立を発表してから反響も良く、期待の大きさを感じているという。「私たちとしても、皆さんに味わってもらうのが今から楽しみ。松本から、世界に通用するクラフトビールを生み出したい」と意気込む。