大町市や安曇野市、松本市など中信地域在住の音楽家が演奏するビートルズのカバーアルバムが、ジョン・レノンの命日である12月8日に発売された。
アルバムタイトルは「ビートルズをやってみた。ヤア!ヤア!ヤア!」。アートスペース「麻倉Arts&crafts」(大町市大町)を拠点にするメンバーが今年6月に立ち上げた「サンロクレコード」が、地元で活動する音楽家に呼び掛けて制作。学生や会社員など、20代~60代の38人が集まり、11曲を収録した。曲ごとに演奏するチームを組み、リーダーが選曲・ディレクション担当。録音や編集、カバーデザインも含め、全てをメンバーで手掛けた。
松本市の大学生・江刺里花さんは「アンド・アイ・ラヴ・ハー」(カマンベールズ)にバイオリンで参加。初体験となったレコーディングは安曇野のスタジオで12時間かけて行った。「他のパートは録音してあったので、バイオリンの音をどう乗せていくかを話し合いながら進めた。長時間で疲れたが、楽しかった」と江刺さん。「大人が本気で遊ぶとこうなるんだ、かっこいいと思った」とも。
カフェ「Something tender」(松本市大手4)の店主・本橋卓さんは「オー!ダーリン」(Red Swamps)でテナーサックスを演奏。「オリジナルを目指すわけではないが、ビートルズにサックスがいないので、どうしようと悩んだ」と振り返る。レコーディングは1日で終わらず、翌日もう一度録音し直した。「あらためてビートルズは完成度が高く、芸術作品のようだと感じた」
「ここに暮らす、さまざまな領域で活躍する多くの才能を一枚のCDに凝縮できれば」と企画。「地場産の音楽のお土産に」という思いも込められている。「今は、インターネットもあり、『地方の音楽』といっても特色は感じにくくなっているかもしれないが、『デトロイト・テクノ』や『シカゴ・ハウス』のように、麻倉を中心にした地域の音楽に特色を感じてもらえれば面白い」と本橋さん。
19日に「麻倉Arts&crafts」で行われる「大町・麻倉音楽会」では、制作秘話なども盛り込みながら、収録曲を披露する。「実際に皆で演奏するのは初めてなので楽しみにしている。ぜひ、お客さんも一緒に楽しんでもらえれば」と江刺さん。
価格は2,160円。麻倉や「Yショップニシ」(大町市平海の口)、「Something tender」、「ゲストハウス東家」(松本市大手4)などで販売する。「大町・麻倉音楽会」は開場=18時30分、開演=19時。入場料1,000円。問い合わせは麻倉(TEL 0261-85-2139)まで。