松本・縄手通りで、各商店の魅力をユニークなポスターでPRする企画が展開され、訪れた人たちの目を引いている。
「主役はお店と店主さん」をコンセプトに、広告・デザイン会社「JAMデザイン」(松本市出川)が企画・提案。ナワテ通り商業協同組合に加盟する28店が参加し、現在25店がポスターを掲示。残り3店も制作を進めており、今月中には掲示する予定だという。
ポスターはA1判が中心。「魅せ過ぎるミセスもたまにはいいじゃない」(レディースファッション店)、「実は洋モノも好きです」(和の小物店)など、個性あふれる各店の魅力をキャッチコピーに込めた。同社広告営業部本部長の市川武彦さんが4月末から各店を訪れてインタビューを実施。「10分で終わったところもあれば、3日かけて合計9時間近く話を聞いたお店もある」と市川さん。
写真は「studio m.p」(塩尻市)のカメラマン・宮川健太郎さんが担当。コピーからイメージして撮影したという。「梅雨入り前に撮影を終えられるようにと頑張った(笑)。各店10~30点ほど撮った」。コピーや写真、デザインの選定のために完成まで何度も店に足を運んだ市川さんは「今はメールが主流だが、実際に会って話すことでお店のことを深く知ることができ、交流も深まった」と振り返る。
たこ焼きと焼き鳥の「左門」のポスターは、同店の田中藤江さんが高速で動いているような写真に「右よーし、左よーし、左門よーし!!」のコピー。「写真は一緒に選んだ。珍しいようで、じっと見てくれるお客さんもいる」と田中さんは笑顔を見せる。
「店や店主にスポットを当てることで、お客さまが来て、さらに店主と話すきっかけにもなれば」とスタートした同企画。ポスターを見るために訪れる人や、ポスターを撮影する人もいるという。「店主の皆さんと話して多くのことを学んだ」と市川さん。「デザインには人の心を動かす力があると思う。これからもいろいろな方法で、地域活性のお手伝いをしていきたい」と意欲を見せる。