松本市里山辺の松本民芸館(松本市里山辺下金井、TEL 0263-33-1569)で現在、企画展「里山のおくりもの ざる・かご展」が開催されている。
同館創設者の民芸作家・丸山太郎が収集した竹やつるで編んだ編組品、約130点を展示。かごやざる、雪靴や腰みの、敷物、ほうきなどの日用品のほか、お神酒の口なども並ぶ。国内各地のものを中心に、中国、台湾、韓国、ペルー、インドネシアなどのものも。素材も竹、わら、ブドウのつる、マタタビなど幅広い。「それぞれの素材の特徴を理解し、それを生かして作っている」と館長の丸山廣登さん。
「背負い袋さまざま」と題したコーナーは、富士見町在住の塩谷マキさんが収集したものを文献を基に紹介。材料や産地、作り方、取得した年月日や価格なども詳細に記している。周辺の里山に自生するすず竹を使って編んだ松本の伝統工芸・みすず細工を集めたコーナーも用意。文箱(ふばこ)や行李(こうり)、手提げ鞄、花籠など、しなやかで美しいつやがあるすず竹の特徴を生かした民芸品を展示する。2009年に亡くなった「最後のみすず細工職人」と呼ばれる中澤今朝源さんが制作した作品も。
「暮らしのさまざまな場面で使われてきた編組品の美しさを感じてほしい」と丸山さん。「みすず細工もこれだけまとめて見られるのは珍しく、喜んでくれる人も多い。ぜひ足を運んでもらえれば」とも。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、高校生以上=300円、中学生以下は無料。月曜休館。2月8日まで。