松本市在住のイラストレーター・グラフィックデザイナーの山本香織さんが家事の負担を減らすツール「リセッターリスト」を考案し、ホームページやワークショップを通じて発信している。
同ツールは、日々の家事を可視化して最小化することによって、家事の負担を減らすもの。リストアップ、目標設定、実行、修正などを繰り返してオリジナルのリストを作成する。「自分に合わせたリストを作り習慣化することで、『やらなきゃいけない』という心理的負担が減ると思う」と山本さん。
山本さんは2年半前に松本に移住。「家を建てたので、きれいな状態をキープしたいという思いと、子育てと家事に追われる日々を何とかしたいという思いがあった。『家事本』もたくさん読んだが、なかなかうまくいかなかった」と振り返る。試行錯誤の末、今春ごろに自分なりの「すっきりと暮らせる家事のスタイル」として同ツールを編み出した。
もともと自分のために始めたことだったが、友人に伝えたところ好評だったためホームページを立ち上げ、月に1回程度ワークショップを開くようになった。参加者は30代~40代の専業主婦やワーキングマザーなどが中心だという。「多くの人が家事にストレスを感じ、効率的な方法を模索していることが分かった」と山本さん。「リストに沿ってやれば家の中が元に戻るので、安心して休んだり手を抜いたりできるようになり、ストレスが減るはず」と話す。
先月行われたワークショップでは、参加者と山本さんが一緒にリストを作成。まずは日々行っている家事を付箋に書き出した。朝からの行動を思い出しながら一つずつリストアップしていくうちに、「今日、熱帯魚に餌をやるのを忘れた…」ということも。「書くかどうか迷うようなことは外して、最初は少なく楽な方に作っても大丈夫」と山本さん。参加者はアドバイスを基にリストアップした後、その家事を実行する頻度を決めて、1週間単位でリストに落とし込んでいった。
「育児や介護、仕事などで時間に追われている方や家事に慣れてない方、整った生活空間をキープしたい方にもお勧め」と山本さん。「毎月のワークショップは少人数制なので、気になることは気軽に聞いてもらえれば」とも。
今月は12月8日にワークショップを行う。参加費は2,500円。申し込みはホームページで受け付ける。今月26日には「craft 松本アトリウム」(松本市高宮北5)で「リセッターリストのある暮らし」を紹介するセミナーも予定する。