安曇野エリアの工房・ギャラリー・飲食店などが安曇野の文化を発信するイベント「安曇野スタイル2014」が10月31日、開幕した。3日まで開催される。主催は安曇野スタイルネットワーク。
今年で10回目となる同イベント。安曇野市・北安曇郡池田町・同松川村の工房やギャラリー・美術館・飲食店・宿泊施設など121会場で、工房の公開や作品展示、創作体験、特別メニューの提供などを行う。
「あたらしや『ハナレ』」(安曇野市明科七貴)では、「布・色あそび」なおみさん、陶芸家・藤田千絵子さん、「友禅工房香庵」古根香さんの三人展を開催。なおみさんは安曇野木綿を使ったバックや小物、藤田さんはシンプルな陶製の器やアクセサリー、古根さんは普段使いもできる友禅染のストールなどを用意。この時期だけギャラリーとして開放するなおみさんの実家に、合わせて500点以上の作品が並ぶ。3人とも明科で制作活動を行っているが、「普段は忙しくて顔を合わせることが少ない」(藤田さん)。「(イベントは)お祭りのようなものなので、自分たちも楽しむ中で、お客さまにも楽しんでもらえれば」(古根さん)。
「ペンギンハウスギャラリー」(穂高)で行われている「秋の北欧スタイル手工芸展」では、織物、ガラス、木工、陶器、フェルト、切り絵など12人の作家による幅広い作品を展示する。吉浦良子さんが制作する、デザインナイフで丁寧にカットしたモビールや、田路恭子さんが制作する、脱着可能なサンタクロース帽をのせた羊やトナカイのオブジェなど、クリスマスムードの作品も。フィンランド出身の大山エリナさんはストールなど織物を、夫の茂さんと息子の秋さんは、ラグなど敷物を出品する。「北欧を感じる作品を集めた。これから迎える冬をイメージするものも多い」とオーナーで木工作家の小田時男さん。ギャラリー名にちなみペンギンをテーマにした作品や、小田さん自身が制作する家具も数多く並ぶ同ギャラリーはショールームも兼ねており、2階のベッドルームなどもトータルコーディネートしている。
「安曇野の魅力を多くの方にもっと知ってもらいたい」という思いから、ものづくりや観光業などに携わる女性6人が2004年に始めた同イベント。3年前にメンバーが入れ替わったが、思いを受け継ぎ運営を続けている。「10周年といっても特別なことをしているわけではないが…いつもよりガイドブックには力を入れたので、ぜひ手に取ってほしい」と代表の成瀬唯さん。「多彩なイベントがあるので、それぞれの人にピッタリくるものがあるはず。ガイドブックを手に、いろいろ巡ってもらえれば」とも。